heartbreaking.

中年の末路とその記録

地域格差問題を華麗にスルーした演説だった…

私は政治経済はもっぱら「読むだけ」で、論じるほどの知識はないのだけど、今、麻生さんの演説を見たよ。

麻生さんの演説には総括的には大いにやる気・気迫があって感動したけど、でも地方に「なにくそ」と思わせて自力で活路を開いてもらおう、という意見には「?」だった。だって、高齢化で地方は経済を下支えする若者が不足しているんだよ?その部分への思考だけがストンと抜け落ちてないか。地方は地方で経営を「なにくそ」という気持ちで上手くやりくりしてくれ… じゃなくてむしろこれまで以上に47都道府県の地方財政まで国が統括して管理するべきじゃないのか。

この間NHKで地域格差の番組を見たけど、地方によっては健康保険の年間納付額に一人当たり30万前後の格差があるらしい。さらに2008年10月(来年)には医療制度改革で国が全国一律で管理していた保険料率の決定権を各地方の保険協会に委譲するらしいから、働き盛りの若者から中高年の地域間格差はますます広がる事を目前にして、この麻生さんと福田さんの演説内容は、一番ヤバイところを上手く回避したなという印象しか受けなかった。

2008年10月、国とは切り離した全国単位の公法人「全国健康保険協会」を設立し移行します。

こんな状況では老人しかいない地域市町村が、地域の経営者として「なにくそ」なアイデアを現実に実行させるほどのチカラ(すなわち財力)があるわけがない。地域の若い稼ぎ手が保険料搾取されすぎで頭打ちしている状況で、あとは保険協会に任そうという姿勢がすでに国が地域の現実から目を背けているようにしか思えない。

だから地方と国を分けて考える政策の部分だけは断固として反対。この地域格差については福田さんの演説を聞いても絶望しか感じられなかった。この先もしかしたら日本で大地震(連動型)があった場合に、いまのまま都心部にだけ日本の力を結集させておいたんじゃ大変な事になるよ。

国側が、日本中の地域市町村の経済を統括して掌握し、収める社会保険料率を均一にさせることで、過疎っている地域も活力が出ると思うんだよ。保険協会に委譲した後は、誰がこの格差に目を光らせてくれるんだろう?年寄りだらけの地方で、わずかに残された若者が30万前後もの保険料格差を背負わされたまま一体どうやって地域が「なにくそ」と希望を見出してゆけるのか謎なんですけど。

その他の、麻生さんが格差を埋める為のキーとして狙ってる点は概ね同意。オギャアと産まれた時の子供は環境を選べないから、その生まれた家庭の親が中小企業や農村漁村で働く人だった場合も、すべての子供たちが希望を持って生きてゆけるように親の格差を埋めよう!というこの部分は強く心を打たれた。

今日の演説で、40歳や50歳にもなれば顔に責任が顕れてくる、と言う通りで麻生さんの顔はなかなか味わい深い顔だと思った。あの顔を見たいばかりに今日は時間を確保してテレビの前でわくわく待っていた自分が居たのも何だか笑えるんだけど。でもあの顔は毎日でも見たいね。だから麻生さんを応援しているよ。

goo blog funamushi2 - 2007-09-16 15:40:30 コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )