heartbreaking.

中年の末路とその記録

ひぐらしのなく頃には人を殺すにはオノが最適だというメッセージを送る為に製作されたわけではない

  • 二女は犯行直前、パジャマから黒色ワンピースに着替え、2階寝室で1人で寝ていた父親を手おので殺害。顔に付いた返り血を洗っていた。
  • 警官父を斧で殺害事件 「ひぐらしのなく頃に」との関連 - J-CAST

今頃だけど手斧(ハンドアックス)を用いた殺人事件がきっかけで、「ひぐらしのなく頃に」を見ました。この事件が無ければ私はこの作品は見なかったと思う…

「綿流し編 其の四」と、解の「皆殺し編 其の弐」まで見ました。感想は、今まで見たアニメの中で一番面白かったです。まだ見ていない人は、是非見ることをすすめます。私は昨夜youtubeでDLLしました。

事件の少女が、斧(オノ)を選んだ為に、「ひぐらしという作品は子供に悪影響を与える害悪」という印象だけを持った大人が増えてしまったと思う。でも中には私のように、事件がきっかけで興味を持った人間も居ることを、「ひぐらし」の製作者はプラス方向に考えて頑張って続けて欲しいです。

テレビで「今回の事件は実は、あるアニメとの類似点が指摘されています」と放送されたら、大人たちは簡単にそれを鵜呑みにして「まったく近頃の子供は… 影響されすぎだろ」と突き放した態度で格好をつけたまま、子供たちの心の闇を考えようともしない。

今の大人が子供たちにどういった世界を見せているのかと、まず自分たちのなりふりを振り返ってみる必要はあると思う。現実世界は、血を流すひぐらしよりももっとキタナイ世界だと思う。今回の、オノで父親を殺害した少女も、「お父さんの女性関係が嫌でこの世からいなくなればいいと思った…」と動機を述べているのだし…

この「ひぐらし」の登場人物たちは、それぞれに辛い過去があるから、苦しみから救われたいと願うあまり「裏切りは許さないよ!」と常に心の中で叫び続けている。殺人行為も、ただの殺戮ではなく、「結束の重要性」を強く訴えている。裏切りは許さない!…という思考の裏には、仲間を「信頼」する心・そして自分の中にある秩序を乱すものは許さない!という気高き信念があるのであって、

このアニメを見た16歳の少女も、この作中の登場人物たちの「裏切りは許さないよ!」という根底にあるメッセージを、空虚になった心でしっかりと受け止めたのだろうと思う。

では何が悪いのか?と考えた場合、やはりそれは、子供が居るにも関わらず、不倫をした父親が悪いのだろう。

どんなに暴力的で血生臭い作品を見たって、殺人しない人はしない。殺人する人は、例えオノが入手できずとも別の手段を考えて殺人をしただろう。オノは一つの選択肢に過ぎない。そして、オノが登場する「ひぐらしのなく頃に」だって、人を殺すにはオノが最適だ!…などというメッセージを送る為に製作されたわけではないだろう。

製作者の「悪意」を立証できないのならば、憶測だけで関連性を過剰に報道するのも良くないと思うし、それが作品に対する製作者の情熱を萎えさせる結果になればファンがどれだけ悲しむか… 考えはしないのだろうか?二次元だからとあなどらないでほしいし、二次元が全てな世界を糧に現実を生きている人だって沢山居るんだよ。会社で一生懸命働いて、でも大好きなキャラが居る二次元の世界があるから歯を食いしばって頑張れる人だって沢山居るんだよ(何で詳しいか?って、私が昔そうだったから。

作品に問題があるのではなく、それを受け止める子供一人一人の心の問題ではないかと思う。だから責めるべきなのは、「ひぐらしのなく頃に」ではなく、一人一人の子供の心の空洞を作り出したのは、どういった環境だったのか、社会だったのか、と考える事だと思う。

そして、「ひぐらし」のような世界を今の未成年が必要とする背景から探ってゆき、その原因となる不安を現実に一つ一つ取り除いてゆく事で、初めて少年少女が、客観的にこの作品を楽しめるようになるのだと思う。

残虐性や血の流れは、このアニメの持つ一側面に過ぎず、このアニメを「表現」する為に欠かせない一要素に過ぎないのだから… またこの作中で「オノ」の存在を消してしまうと、この作品は死んでしまうだろう。

少なくとも、テレビのくだらない番組なんかよりは、はるかに伝えるメッセージがある良い作品だと思う(まだ最後まで見てないけど、、)。暴力的なシーンばかりに囚われすぎないで、一つ一つの作品を、所詮アニメだと最初から理解する努力を破棄するのでもなくて、まずは一度、食ってみることだと思う。何度も言うけど、食わず嫌いが一番良くない。

追記: 後で気付いたけど、ほとんどkagamiさんのブログで既出のようでしたorz なんか俺同じ事してんなー…

goo blog funamushi2 - 2007-09-26 00:51:04 コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )