heartbreaking.

中年の末路とその記録

トライガン・マキシマム

久々に本屋の漫画コーナーをウロつくと、トライガン・マキシマムの最終巻まで出てるのに気付いて10~14巻までを買った。

ウルフウッドが死んでからはアワーズも買わなくなったし、トライガンも読むのを放棄してたけど、内藤先生はちゃんとトライガンの作品を終わらせていたんだなあ。

トライガン・マキシマムは、漫画ではなく、内藤先生のアートブックだと割り切って鑑賞すれば、少なくとも内藤先生のセンスに惚れこんだ者としては楽しめる、かな(?

一時は深夜放送でのアニメ化や、そのアニメが海外で反響があるなど盛り上がったけれど、アニメが終わり、アワーズでの原作の連載に注目が集まってからは、主役のヴァッシュよりも、脇役のウルフウッドのほうが目立つ場面もあり、やがてこのウルフウッドに焦点が集まりはじめるといよいよ作品が支離滅裂になってきて、作者すらつじつま合わせが出来てない行き当たりばったり的な設定が次々と登場・・・ それでも俺はウルフウッドの生き様・男前ぶりが好きだから、発売日にアワーズを買って会社の昼休みに読んでたのだけど、ミカエルの眼とか、リヴィオらが登場してからは嫌な予感はしていた。これらの登場人物は、作者すらも扱いに手こずりはじめたウルフウッドをどうにかして殺すために無理やり作り出したとしか思えなかった。案の定、ウルフウッドが死んだので、あー!また俺の好きなサブキャラが死んぢまった!って猛烈ショックで何日かは立ち直れなかった。ウィードでジョンが死んぢまったのよりショックだった。

それ以外にも、熱狂的な読者による爆破事件で一時、連載が止まった時期もあった。テレビのニュースでは、内藤先生の作品「トライガン・マキシマム」の単行本の表紙や、あまつさえ作品の中身まで公開され、作品の中の危険と思われるセリフを含むシーンの数々がテレビでお茶の間の不特定多数の前にいきなり曝け出されてしまった。ファンからすれば、何でそのシーンのセリフをそんなふうに曲解するのか?と腹立たしかったが、この作品を知らない人からすれば、嗚呼そういう危険な漫画なのか・・・ とちょっと興味を持った人も居たかもしれない。自分が大好きな漫画が、デリカシーのなさに踏みにじられていく何とも切ない気持ちだった。あの時期から内藤先生の中で急速に醒めていったのかどうかは知らないけど、トライガンという作品も勢いを失い、ただアワーズの筆頭になる作品としての使命を全うすべく続いていただけのような気がする。でも最終巻のラストを見て、内藤先生は最後まで責任を果たしたのだなあと、立派だなあと感じました。

以上、つらつらと思い出に浸ってみました。

追記: 2009年に劇場版アニメーションが公開予定らしい!(マジすか・・・)

トライガンマキシマム 14 (14) (ヤングキングコミックス)