heartbreaking.

中年の末路とその記録

人間がなんとなく苦手だ

中学・高校の頃は、普通の女の子になれそうにない自分を直視したくなくて、同級生の女の子を好きになりました。その子を一途に想うことで、初めて人を本気で好きになる気持ちに気付きました。

ですがいつまでたっても生理も来ない、自分の未発達な体をその子にだけは見られたくなくて、その子も私を好いてくれていたことに気付いていたけれど、服をはぎとり押し倒すだけの勇気がありませんでした。

その子は体の発育がよく、中学の頃から胸もふくよかで、女の子らしい丸みをおびた体をしていました。触れたい、思いきり抱きしめたいのに、思うまま動けない胸の苦しさのままに、毎晩その子と抱き合う想像ばかりしては、よりいっそう想いは強くなっていきました。

自転車に二人乗りした夜、一生懸命ペダルをこぐその子の腰まわりにこの両腕をまわして、ぎゅっとしがみついた感触が今でもこの両腕の内側にそのあたたかい感触が蘇るほどです。

その子が好きだから、その子にだけは醜い自分の体を知られたくなかった。情けない自分の姿を知られたくなくて、でも私の体が成長するまで待っていてくれると心のどこかで淡い幻想を抱いていた。

自分の体が大嫌いでした。人を好きになると、自分の体の醜さがますます嫌いになる。しかし実際は、私の体はそんなに醜くはなかったのかもしれません。

自分を醜い、醜いと思うことで、いつしか他人と心を打ち砕けて話すことすら出来ない頑なな人間になってしまいました。肉体的な悩みを抱えていると、どうしても他人と心まで打ち砕けて話すことが困難になる。そんな自分の長年の問題を、丸裸で他人と接することで少しは解消できたかと思ったけど、未だに人と話すのが苦手で困っています。