heartbreaking.

中年の末路とその記録

港湾地帯に並ぶ電気のついてない巨大な工場たちが怖い…

仕事が見つかりました… 事務的な仕事なのですが、まだ試用期間中なので、今が一番大変な時期です…

不採用ばかりが続いて「自分なんてこんなものか…」と自分で自分のことを笑うしかない、半分諦めモードでしたが、タイムリミットを明確にして「何が何でもこの一ヶ月で決める」と思ってからは、履歴書や面接にかける熱意が違いました。

気になる会社は夜中に、原付で下見に行きました。

「ここで働きたい」と思える候補の中に、「工場の作業員」もありました。

その工場は、自宅から非常に遠かったため「本当に通えるのか?」と不安になり、夜中に下見に行くことにしました。

夜中に原付で「下見に行く」目的だけで、鼻水垂らしながら走り続けている自分って… 思えばいつもこんな感じで白紙に戻ってやり直すためだけに生きてきたようなものだなあと思いつつ…

地元なのに、ちょっと足を伸ばして見慣れない土地に入ると新しい発見の連続で、特に原付だとその違いを直に感じるので、「こんなものがあったんか」「ほー」「へー」とかブツブツ言いながら、多分違うんだろうなと思うような道までわざと迷い込んでみたり…

もしこのままこの土地から抜け出せなくなったらどうなるんだろうな… いや、それもいいかな(どうせ半端なままの自分だからどうなっても…)

目的の工場は、港湾地帯にあるので、海の匂いを感じる辺りから、海はコッチだろうなと直感でテキトウに走っていると、真っ暗闇の中に高々とそびえ立つ巨大なコンクリート建造物が次々と見えてくるようになった。

電気がついていない夜中の巨大な工場は、ものすごく怖いと思った。巨大なものに対する恐怖に加えて、工場ってやつは大抵が海の近くに建ってるもんだから、夜の真っ黒い海がすぐ目前に迫っている恐怖と相まって、二重に怖い…

とにかく怖い…

なんだかゾクゾクしながら巨大な工場群を抜けてくと、本当に海のすぐ近くに目的の工場がズドーンと建っていた。で、デカイ… しかもモロ海の目の前だし。海も怖い… この地方は今後50年以内には東南海地震が来るって言われてるので、こんなとこで働いてたら確実に死ねる。

夜中に見る、電気のついてない巨大な工場があまりにも恐ろしすぎたため、、漠然とした恐怖を腹の中に抱えたまま家に帰った。あの、工場の中の一部に、自分はなるのか… なんだか一度入ったらもう戻れなくなりそうな気さえした。