heartbreaking.

中年の末路とその記録

ドラクエ10を引退しました。

積み上げてきた(かつては血のにじむようだった)努力を、あきらめることにしました。未練をふりきるまで時間がかかりました。だけど、何かをあきらめなければ、いま気になることすべてを連れてゆけるほど私は器用ではなく、また人生の時間は長くはないのです。

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ドラクエ10を昨日で引退しました。

これは最後に一人で撮ったスクリーンショットです(最後は友達に囲まれたいですか?私は一人でフィナーレを飾りたかったのです)。服をすべて脱ぎ捨て結晶に変えてバザーに出品したので、こんな服装です…

理由は、簡単に言うと飽きたからです。一人だと単調になりがちなレベル上げが全然楽しくありません。こんな拷問みたいなネトゲを作り出した開発者には驚きを隠せません。まだ残っているのは非常に忍耐強い方々です。

コンスタントにインし続けていないと、あっという間に仲間の話題についてゆけなくなります。半年もインしないと全部、宇宙語に聞こえて理解できません。やる気のない私をサポートしてくれる仲間にいつまでも嘘を吐いているわけにはいかなくなってきたのです。…楽しくないのに、楽しいと感じているようなふりをするのはもうやめにしたのです。
街で珍しい装備の人を見ると以前は「あの装備はなんだろう?」と興味をもち調べていましたが、近頃は「何故この人はこんなにゲームに必死なのだろう?」と拒絶反応すら出始めていた。
開発者は当初10年は続けたいと言っていたけれど、新規参入への救済措置にあてこみすぎて、古参は不満を抱く人もいるんじゃないかな… 今後、新規参入を優遇する措置はますます加速してゆくだろう。古参の血のにじむような努力をないがしろにしての、過剰な優遇措置は、どうしてもそんなのは納得がいかない…
自分が楽しめていればいいとか、そういう問題じゃない。後からのこのこ来たやつがスイスイとレベルが上がる様子は不快だし、同じように苦労しろ!と説教したい気分だったが、言えば小さいやつだと思われかねないので黙っていた。

チームのリーダーでしたが、メンバーは私を入れて実質3人でした。
引退するからチームを解散することを伝えると、チーム内の癒しキャラのプクリポくんが「いままでありがとう!」と地面に大きな頭をこすりつけておじぎをしたままで、動きが何分も止まっていたので、その姿がまるで泣いてるように見えて、自分のやってることの残酷さを思い知った。ごめんという気持ちになった。信じてくれたプクリポくんを、この世界に残したままで、自分だけが去るなんて…… ほんとにごめん。

もう一人のエルフくんはしっかり者で、どこへ行っても上手くやってゆけそうだったから、私の考えを一瞬で理解したようで、もう余計なことは一切言わずにうなずいてくれた。たった3人だけれど、いいチームだった。

なのに、私はそのチームを解散した。

最後に、家中の家具をバザーに出品し、さらに服もすべて脱ぎ捨てた… 最終的に400万ほど出来たのでそれでコインにかえてプレゼントした。(送れなかった人も何人かいる)

……たくさんの思い出の大切さを理解するのは、実は、もう少し後だった。

引退を告げて、もう着る服もなければ、お金もない、そんな状態で今までの仲間たちと撮影したスクリーンショットの数々を見ていると、胸の奥から沸き起こる想いが襲いかかってきた…… 皆、笑顔で楽しそうに集合していて、まるで本当の友達みたいに映ってる… リアルとゲームの人間関係に違いなどない。

もう引退したので、これ以上はなにも言わない。ただ、皆に、ありがとう。

ネトゲで友達ができたお!(涙)(2012-09-03)

いつか君と語り合える日を夢みて、今日もドラクエの世界にいます(2013-10-17)