heartbreaking.

中年の末路とその記録

夢の中で、やり直そう…

相手のほうから「離婚届を出そう」と、切り出された側なので、結局のところ捨てられたんだな… という感覚が残っていて、微妙に立ち直れていないです。

離婚届を出したあとも、用事が残っていたので数回ほどメールやりとりはしましたが、これ以上自分がみじめにならないようにと思い、極力連絡を取らないようにしていました。

相手が明るいメールを送ってきたり、以前よりスッキリした表情なのを見ると… それを見た私の中で、もう「彼の中での私は終わった」と感じる。私と離婚することで、こんなに明るくなって… 何か悪いものがとれたかのよう… 随分スッキリしたように見えて、悲しい…

仕事から帰り、早めにベッドに転がり込み、目を閉じると、夢を見ていた。夢の中では、まだ離婚していなくて、やり直したいと思っていた。相手もそうだということが伝わってきた。完全に時間が巻き戻っていて、今がなくなっていた、だからすべてを素直に受け入れることができた。やり直そう… あなたも私もそうしたいと願っている。
夢の中では、相手の感情が何の障害もなく伝わってきた。やり直そう… 二人はやり直せる…
なぜか相手の表情は感じた。自分は拒絶されていない、受け入れられていることを強く感じた。それがどうにも嬉しくて、両手いっぱいひろげてすべてを抱きしめたくなるような気持ちだった。

とても幸せな夢だった。時がまるで無限のようにも感じられた。夢のままで醒めなければよかったのに、朝はやってきて、スマホの目覚ましアプリで5度寝して、夢の続きを見ようと密かに足掻いたが… もう無理だった。

後悔しているのではないかと自分の心を疑いもした。もう二度と手に入らない、かけがえのないものを失ったのではないか… と、しばらくうなだれていた。…こんな現実じゃなく、真に求めた世界は、さっき見た夢の中に詰まっていた…

そして、現実には、そうなる可能性すら捨てた自分しか残っていない。夢の中で感じた愛情の欠片がまだ、視線を落とした床の上に残っているような気がしていた。手を伸ばしてみるが、いつも通りの部屋の風景に、開いた手のひらを思いきり握り締めていた。……あんなものはどこにもない世界しか感じなかった。

不思議でならない。今でも頭に浮かぶ、笑顔ではしゃいでいた二人の姿が… そして信じられない。夢の中で繰り返した「やり直そう」が真実であり、今、一人でいる自分は嘘のような気がしている。

夢の世界には、ただ、やり直したいと想う、二人の心だけが漂っていた。