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heartbreaking.

旧URL http://kuroihikari.hatenablog.com/

 

年収130万の壁とパート主婦の苦悩(10月から変わる)

政治

前記事で扶養範囲内で勤めるパート主婦について少し言及したあとで、タブレット端末でネット検索していると以下の記事を見つけた(え?28年て今年だよね?)。

従業員501人以上の事業所に勤務している方が適用対象になります。
以下の3つの要件すべてを満たすパート従業員さんは、社会保険に加入しなければなりません。
① 1週間の所定労働時間が20時間以上
月額賃金88,000円以上(年収106万円以上/残業代や交通費などは含まない)
③ 継続して1年以上雇用されることが見込まれること 
社会保険の適用拡大まで10ケ月をきった?!~平成28年10月から実施されます~ _ 働く人に知ってほしい「社会保険・労働法・税金」

10月から保険料引かれるの?私、給料10万以下なのに?やめてやめて!って腕振り回しながら密かに怒り狂っているパート主婦が多いはず。思いきった法律改正だと思います。月給92,000円が、いきなり手取り77,500円に減ったらもう働く意欲なくなるだろうな。短時間勤務のために、毎日家を出てコンスタントに通い続けながら、家事もする主婦にとっては「私って何のために働いてるの?」と自問自答したくなるような大事態だと思う。

平凡な主婦の多くが、結婚して一番強く感じるメリットは、扶養範囲内で(自分は) 保険料を払わずに済むことだと思う。色んなことを我慢してでも、その権利を得る価値がある、それほどに重要なことになる。

501人以上の従業員抱える企業というと、食品工場のラインのパートに勤めていて、微妙な時間を働いてすぐに帰る主婦が主なターゲットかな。食品以外の機械系のラインはガッツリ稼げる系が多いし、男性も混じってるから、一般的な主婦は食品のほうへ行ってそうだ。 でも、500人以下の企業に勤めるパート主婦は、いままで通りなので、パート主婦間で、どの企業に勤めているのかによる意識の差がかなり明確になってくるのではないかと思う。

ちょうど条件に当てはまる主婦にとっては大変な事態だろうが、この法改正で、救われる女性もいると思う。給料は少なくてもいいから、どうしても会社が折半して払ってくれる保険に加入したい!っていう、一人で生きるしかない高齢女性(貧困女性)って意外といると思うので。

さらに、いずれの場合においても、こっそりWワークで収入を得れば解決する問題に過ぎない。税金の申告方法が人数報告などで個人名までは出さないような、ざっくりとした管理の会社で副業を行えばいい。

130万以内に納めるのってすごく難しい。ちょっとがんばれば、すぐに突き抜けてしまう。

しかし、その難しすぎる舵取りを上手くできれば、働いた分の時給を丸取りしながら三割負担でいつでも病院に行ける。(真面目に会社に拘束されながら保険料たくさん天引きされても耐え続けている人たちに支えられながら……)

与えられるものはすべてもらうけれど、自分はなにも出さないというのが、扶養範囲内で働く女性の存在になるが、今回、政府はその部分にメスをようやく入れた。しかし従業員501人以上の企業というのは、そうそうないとおもうので、今後も恩恵に授かりたい主婦は、500人以下の人数の企業を狙えばいいことになる。

だけど扶養範囲内の主婦も大変な面はある。完全にらくしている人間などは、そうそういないと思う。

パートといえども人間関係での問題もあるし、与えられた役割の中での責任はある。主婦は仕事が終われば、そこで解放されるわけではなく、夕方にはスーパーで買い物して帰って、夫に食事の支度をしなければならない。毎日違う献立を考えるのも大変で、寝る前にも自分が着るわけでもない服にアイロンをかけたり、何かと雑用が多くなる。

自分が働く行動については家族に相談しないと自由に決められない。年収130万円以内にはどうしても納めないと、家計に影響してくることになる。夫も、きっとこう言う。お前が稼ぐ能力がないのなら、無理せずに扶養範囲に入ったままでいてくれ、と。

しかし、家庭内においての自分のメンツもある。子供いる・いないにかかわらず、家でずっと働きもせずに家事だけをしている主婦であるよりは、なにかしら働いていたほうがいいという意識は誰だってあると思う。それに、夫婦で会話していれば、夫の会社の同僚(女性)が仕事が出来るとか、しっかりしているとかの話を聞かされたり、夫の親戚内に仕事も出来てお子さんもいる女性がいる、などの話を聞くと、もういてもたってもいられなくなる。

働きたい、だけど国が用意している便利な、扶養範囲内という逃げ道があって、自分がそれを利用しないで、損したくない。この想いだけで、やればできる主婦までもが、130万に窮屈に縛られてしまっていた(今までは)。

鋭い同僚がいれば、なんで扶養範囲内なの?という圧力が加わる。そこで、いえ、私は家庭の事情で、どうしても扶養範囲内じゃないと駄目なんですとはっきり言える、開き直れるタイプなら別に精神的苦悩もないだろうけど、扶養範囲なんですごめんなさいになると家庭と企業と年収制限の板ばさみ状態になる。そこで、子供がいない場合であると、言い返す言葉もなくなる。

夫には扶養範囲内にしてくれと無言の圧力をかけられ、夫以外の周囲に対しては何か言われても子供がいないから何も言い返せず、かといって自分で道を切り開く能力も足りない主婦が、年収130万の壁の一番の犠牲者だと思っている。今回の法改正は、そうした苦悩を招く足枷を解いてゆく道筋をつけたと言える。逃げ道がなくなれば、誰だって、自分の足で歩き始めるしかない。

短時間労働者に対する被用者保険の適用拡大 - 厚生労働省 (注:PDFが開きます)