heartbreaking.

中年の末路とその記録

片思いでも一度燃え尽きたら、もう人を愛することはない

昨日は、色々と些細な、心のすれ違いが積み重なり、険悪な感じで過ごす時間が多かった。

最後は二人とも黙ったままで顔も見ず、煙草ふかして(過去の誰かともこんなことがあったけど、疲れる……)、明らかにいつもとは違う様子で彼が部屋を出て行ったので……もう終わりかなと思い始めている。

別に悲しくないし、男が急に無口になるのは慣れてるので構わない。

捨ててくれても構わない(今までに払ってくれたメシ代とかガソリン代などは返せないけど……)。

私は一人の時間の過ごし方を知っているから、いつでもその場所へ戻れる。

一人の時間を楽しめない人が、恋愛に破れると手首切ったり、自殺しようとするのかな……そういう人たちに伝えたいことは、あんまり他人の心を、自分の思い通りにしようなどと思ってはいけない。

でも時々、そういうふうに、命をかけてもいいと思うほどに人を好きになれることが羨ましく感じることがある。

私にも、そんな頃があったな……

学生時代に片思いをした同級生の女の子に夢中だった。それから13年くらいは彼女だけを想って生きていた。

抱きしめたくても、抱けない、プラトニックな愛の中で、私の人生の中で燃やせるすべての愛が精一杯燃えて、そして燃え尽きてしまった。その後の私は灰となり、もう二度とあんなに人を愛することなどないだろう……

セックスをしてしまえば、愛が終わるんだよ。そこにたどり着けないで、もがいてる過程の中に、愛があるんだ……

だから、村下孝蔵さんの「初恋」って歌が好きだよ。

嗚呼、またこの関係も終わるんだろう……セックスをほぼ毎日していたのでお腹いっぱいで、死ぬまでしなくていいくらいした。

今欲しいのは、一人の安らぎの時間。

それと、自分の内面だけをとことん見つめて煮詰まれる時間……自分の心の風景が奏でる言葉の音色を一つ一つ丁寧に拾い上げてく、そんな時間が好きだ。

家にいる時間くらいはゆっくり手足を伸ばしたい。子供もいないのに、男といても仕方ないだろう……生活はギリギリだし借金も減りはしないだろうが、一人なら仕事も頑張れるだろう。

彼と毎日一緒にいる、その積み重ねの中に徐々にストレスが溜まっていて、一人の時間が欲しいと思い始めた矢先、家に彼が来ているのに「1時間だけ寝る」と伝えて自分だけベッドで寝てしまい、目覚めると1時間以上寝ていたようで……、彼の姿が部屋から消えていたけれど、眠気には勝てなくてしばらく宙を見つめて呆然としていた。

彼を探すことよりも、自分の眠気のほうを優先するとは、愛想尽かされても当然だと思った。言い訳ももう通用しないだろう……彼はベランダで煙草吸っていたので、姿が見えなかったが、しばらくすると無表情で部屋に入ってきた。

なんだか無口になっていて、精神的に疲れている様子が見て取れた。

「俺がいると邪魔だろうから、もう帰るよ」

ほぼ毎日のように遊びに来る彼に、まだ合鍵も渡していない。彼が前科者だからというのも、ない理由ではないが、誰が相手だろうと合鍵などは渡すつもりはないのでそれは仕方がないのだ。

私は誰も信用していない。自分が築き上げたこのマンション内の一室と、そして、20年以上の原付生活を経てようやく購入できた中古の軽自動車だけは誰にも預けるわけにはゆかぬのだ。何故ならば、部屋と車、その権利を奪われたならば、私は生きてはゆけないからだ。

最近、どうも上手くいかないことがあって、合わないな……と気付いている(相手もそうだろうけど)。

結局、誰と付き合っても同じだと思った。

子供も作らない男女の関係なんてそんなものだと諦めてる。セックスなんて誰とやっても飽きる。

それはもしかしたら、これまでに付き合ってきた異性とのほうが自分には合っていたという気付きなのかもしれないし、中途半端なところにきてしまったという後悔で、この時間をどう清算するかという疑惑に苛まれているのかもしれない。

私は人間に対して警戒しているか、人間嫌いが根底にある、不器用なのかもしれない。

人間なんか誰も本気で好きになどなりやしない。

好きなのは自分だけ。これからもずっと……(でも猫は好きだから引っ越したい)