heartbreaking.

中年の末路とその記録

二股をしていると結局自分が幸せになれないのでどちらかに決めようと思っている。

二股すると相当大変だということがわかった……

会社の男性とラブホ行った後で、遅刻しそうになりながら彼氏と会ってひたすら謝る……みたいなのが続くと、両方の信用を失ってゆきそうで。

いい感じで過ごしているのに、時計を見ながら、あー彼氏が待ってるのでそろそろ帰りますか?とはなかなか切り出せない。答えは簡単で、帰るか、帰らないかで自分がどちらを好きなのかを伝えることは出来る。その様子をきっと観察されている……だって、帰る時間いつもギリギリだよ。

悩み聞いてもらえるかな?

こないだのは実話だよ。会社で好きになった男性とセックスをしたので毎日そのことで頭がいっぱいになって、胸が詰まるような想いで、でも話せる女友達がいないから自分のブログに書いたんだよ。

ネットに興味ない彼氏がこんな辺境のブログに気付くわけはないけど、見つかるのが怖くなったのでフィクションってことにしただけで……

既にこれまで二回セックスした。生まれて初めて、男性に対して本気で恋をした。

そうしたことをしている最中に、汗まみれの背中にそっと触れると、どうしてこの人を、自分の都合のいいように、心も体も独り占め出来ないのだろう……と痛みも感じた。

キスをしていると軟体動物になったようにとろけそうで、そんな柔らかさの中で、ゴム付けずに生のままで、ぬるぬるになって、ぐちゅぐちゅになりながら、前からも、後ろからも、斜めからも、その人のそれを体の奥で受けとめながら、あまりの気持ちよさに心がふるえて、気持ちいい……って何度か伝えると、相手も、うん、気持ちいい……って言ってくれたので、このまま世界が潰れても構わないとその時ばかりは思った。今までの人生の中で、一番「いい」と思える瞬間が、抱かれている間ずっと。

本当は終わった後もくっついていたいけれど、どうなんだろう。私その人にずっとまとわりつくようにしていても迷惑でないんだろうか。だから、できなかった……終わった後に体に触れることが……

あんなにセックスをしている時は一つになれたと思ったのに、また元通りの、容易には触れられないピシッとした空気を作り出していた。それは彼氏がいるからなのか、もともとそういうタイプの人なのかはわからない。

魂が吸い取られてしまいそうに、こちらは横顔を見つめていることしか出来なくて、疲れた表情や、冷たい香りをほんの少し嗅がされるだけで、心の中は不安でいっぱいになる。

自分の心が定まらなくなるというか、抱かれていたその時間の記憶だけに毎日生かされているような、どうしていいかわからない気持ち。

次の機会を失わぬよう、自分にとって精一杯の「私があなたを好きなんです」アプローチをできる隙間を探している時間に、なんかお腹が痛くなってきて屁が出そうで、それを我慢していたら最後まではっきりとしたことは伝えられなかった。

それどころか、今の彼氏の話をして何度も墓穴を掘る。

彼氏の話をする時は、その人もあまり表に露骨に出さないけど、時々苦しそうな顔をする。

その表情を見て気付いてきた。

この人、遊びじゃなくて真剣なのかなと。

その表情を何度か見るまでは、てっきり遊びかと思っていた。

話を聞くと、付き合うことを考えてかなり勇気を出して声をかけてきたようで、そうなると、彼氏とその人を二股するのはよくないのでどちらかに決めたほうがいいと考えるようになった。このままではどちらの心も裏切っている。

幸せになるための二択が目の前に突き付けられている。これ以外にほぼ選択肢はないだろうと思えるのは、自分がもう歳だからだ。

彼氏の笑顔や優しさを想う時、涙が出てくることもある。離れたくないし、心にかすり傷でも付けたくないと思うのに、自分は最低なことをしている。だから二股などせずに、なるべく早く結論を出そうと思っている。