heartbreaking.

中年の末路とその記録

どんなに好きでも金が究極に無いのでこちらからは誘えない

恋愛すると金がかかる。金のかからない相手のほうが長く関係を続けられる。金をもらえる相手なら尚更のこと余裕で関係を続けられる。

だから金を出せるのなら最初に提示してほしい。そうでないと、こちらは50/50の関係でいたほうがいいのかとヘンに気を回して金を使う羽目になるし、金のない自分を良く見せようと無理をしなければ嫌われそうで怖いから、水面下で異常に金がかかっている。そんなので無理をしていると危機的状況に追い詰められて一人で沈没する。金がないと、好きな人ともやがて遊べなくなってしまう。相手は気付かない。ただ、どうでもよくなったのかなと思う程度だろうが、どうでもよいとすぐに思えるような相手なら二度目以降に逢おうなどと思わない。たった一度でオサラバだ。大切な貴方には、金のなさゆえだらしない自分をこれ以上知られたくないから、ギリギリの場所でなんとか踏みとどまっている地点で保留にして……次に逢うためのそれなりの準備が整うまでもうちょっと待っていてほしいけど、その間に貴方は寂しさから他の人を見つけてしまうかもしれない。とにかく生活の立て直しを急がねばならない。

金が尽きると、逢いたくても逢えなくなる。

音楽聴いてると、ヘッドフォンのケーブルが胸に微かにあたって、凄く不快だった。なんでこんなものが、乳首が付いている。逢えない時間、自分の身体を感じたくない。意識したくない。なにもかも遠ざけようとする。オナニーだって嫌悪する。俺の体は貴方にただ抱かれるためだけに存在している!

好きな人と逢えない時間が長くなるほどに、性欲がだんだん衰えてくる。この性欲を爆発させる場所はただ一つしかない。逢えない期間に溜めて、溜めて、次に逢える時はこの溢れる想いのまま言葉で愛を伝えれたらいいのにと、そう思っていたのに、連絡もとらない日々は意地悪な考えばかりを増幅させてゆく。そうしないと自分を保てなくなってくる。連絡が来なくて苦しい……連絡をとらなければ、もしかしたら相手も同じように苦しんでくれるのか。どのくらいの頻度でこちらのことを考えてくれるだろうか。スマホで「元気ですか」のただ一言を伝えることを躊躇い、結局その言葉を送ることが出来ずに想いを閉じ込める。心に破壊的な痛みを感じているままで仕事に没頭し、なにもかもを、これまでで一番綺麗な想い出の箱に閉じ込めるから、二度と逢えないなんて、そんな悲しい現実を永遠に見えなくしてしまいたい。

金に余裕がないと、恋愛も続けられなくなってくる。いつも同じ服ばかりを着て逢うのもなんだかこちら側が勝手に引け目を感じて疲れてくる。休日に服を買いに行こうと思うが、結局、寝過ごして夜になり、店は何処も開いてない。行動力も衰えてくる。思うように恋愛できないゆえに気力も削がれ、なにもかもが悪循環だ。最後は煙草をしこたま吸い倒してこの体を痛めつけることで納得したいと思うようになる。金が無いのに煙草を吸うのも矛盾だがな……

金のかかる恋愛から距離を置いて静かに暮らしたいと思う時、諦めてしまう。逢えない状況を作っているこの金のなさを怨む気持ちよりも、ただ虚しい。色んなことがどうでもよくなってくる。逢えない期間が長引くほど、この体を動かさねばならない色んな理由が嘘で塗り固められてゆく。強力に魂を動かす原動力が途絶えているから、この体も、嫌々の動機すべても嘘だ。外の風景など特に、額縁に入った絵画のようだ。
毎日起きてる間中、貴方のことばかり考えているが、実際に金がなくてカツカツな状況の自分にこれ以上無理をしたくないので、逢いたくない矛盾。本当はいますぐでも連絡が欲しい。そうすれば、この金のない状態でも、同じ服を着て逢いにゆける。

休日は、起きている時間の落ち込みようが酷い。

この休日も不調だ。いつ調子が良くなるのかもわからない。だが、自分が絶好調だと思える時にしか逢いたくない。駄目な自分を見せたくないから、連絡を躊躇して一日が終わる。

そんな間に、誤解されて、誤解したままで、まだ付き合えてもいないのに、本気の恋が終わってしまうのかな……