『電撃CD文庫 エメラルドドラゴン』
―EMERALD DRAGON―
1993. NEC/メディアワークス
MWCG-0006
福田裕彦
付属: 木村明広 画集64P&ポストカード×2
ギャルゲーに押されながらも、細々と 『心に刻まれる名作RPG』 を生み出してきたPCエンジンDUO-Rの代表的タイトル。木村明広さんの絵の魅力を余すところなく引き出したビジュアルシーンは、今見てもけして古臭いものでは無い。さらに、移動中 「相談コマンド」 でキャラの細かな心情まで配慮されている。実に気配りの効いたゲームなのである。
音楽は 『天外魔境2 卍MARU』 等でおなじみの福田裕彦さん。
以下、俺の気に入った曲。
『グランド・オープニング (01)』[オープニング1]
関俊彦サンの 「ォオーストラコォン!!!」 で始まって、塩沢兼人サンの 「コイツを生かすも殺すも貴様達次第ってワケだ……」 そして、関さんの 「もしや、貴方がエメラルド・ドラゴンなのですか!!!?」 ラストは 『―エメラルド・ドラゴン!!!―』 っていうデカデカなタイトルで終わる。全てのエネルギーがココに結集している。
『静寂に沈む森 (09)』 [ダンジョン曲]
壮大なシンセサイザーが、森の奥行きを余すところなく表現している。ギターが語る感傷的なメロディーは、木々の合間から零れ落ちる光へとその姿を変えながら、森の迷宮に捕われた旅人たちの心に、つかの間の安らぎを与えてくれる。森を表現しているだけあって、マイナスイオンが出てます。学生時代からずっと、この曲ばかり聞いてるほど気に入っている。
『竜の巣からの話 (04)』 [オープニング2]
ピアノが奏でる穏やかな時の波に揺れながら、力あるが故の孤独を纏うメロディーが、やがて力強いドラムに包まれたとき、全てを破壊せしめんとする竜族の威厳を示しながら。やがて、運命の波に翻弄され、その繁栄が静かな終息へと向かうまで。壮大な歴史が、この一曲で見事に語り尽くされている。ゲーム中はナレーションで目立たないので、是非CDで聞いていただきたい。
『暗黒の回廊 (08)』 [オヴィングストン洞窟]
良い。
『過ぎ去りし日々、今、一度の幻 (05)』
旅の中、明らかになるタムリンの出生の秘密。彼女がホルスでも、そんなことは関係ない! とばかりに、一途な想いで彼女を励まし続けるアトルシャンの複雑な心情。そんな気持ちが詰まっている。
『遙かなり、地平線 (03)』 [フィールド曲]
今の時代に繁栄する殺伐としたゲーム音楽には存在しえない。おおらかなリズムに身を任せ、懐かしさに黄昏ていたい。
『ファイナルボス (18)』 [ティリダテス戦]
美しい破滅を描いた、スケールのデカすぎるバトル曲。
『エメラルドドラゴン (02)』 [テーマ曲]
渋すぎる。
収録曲:
01. グランド・オープニング
02. エメラルドドラゴン
03. 遥かなり、地平線
04. 竜の巣からの話
05. 過ぎ去りし日々、今、一度の幻
06. 王者の行進
07. 激闘へのいざない
08. 暗黒の回廊
09. 静寂に沈む森
10. クリスタル・キャッスル
11. 海流の島々
12. 険しい道
13. 竜の黄昏
14. 避け得ぬ戦い
15. 悲惨な最期
16. 天変地異
17. 悲しみの淵に立って
18. ファイナルボス
19. エピローグ
20. ショップ1
21. ショップ2
22. ショップ3
23. 街2
24. 苦悩
25. 戦闘1
26. 戦闘2
27. 形勢不利
28. 宿命の導くもの
29. ピンチ
30. アクティブ
31. 仲間が入った
32. 宝箱を開けた