俺は学生時代は飛鳥涼さんに恋をしていました。あれは夜のヒットスタジオだったかな… お洒落な帽子を被ったチャゲさんと、何だか知らないが妙に色気のあるイイ男(飛鳥さん)が、「HOTEL」という曲を歌っていたんですけど。ちょっと不慣れな感じのステップを踏みながら、何だか怪しい歌詞を歌うこのイイ男は誰っ…!?って感じで、ビデオビデオー!って親に「撮ってこれ、お願いお願い!」ってお願いしたんですけど、当時は親とテレビの取り合いしてましたんであえなく却下されまして… 嘆きながらテレビに噛り付いて、ステップ踏むイイ男(飛鳥さん)にうっとり魅入っていたんですね… や、HOTELという曲自体は歌詞がいかがわしい内容なのでアレなんですど。何が俺のツボを押したのか意味不明なんですけど、とにかく体に稲妻が走ったような衝撃でした。
子供が、大人びた歌詞の歌謡曲を抵抗無く聴けるってのは、愛や恋について何もわからないからこその特権かもしれませんね。むしろ大人になってからの方が、当時の歌謡曲の歌詞の内容には抵抗あります。意味を知ってしまってからは、どうしても自分に置き換えて考えてしまうじゃないですか… 純粋に作品として楽しめなくなってしまうんですよね。
当時は音楽番組でも夜のヒットスタジオというのが、夜9時からフジテレビで放送されてたんですね。俺も毎週見てました。
あまりにも一瞬で歌が終わってしまったので、その後呆然となって何も手に付かないほど飛鳥さんが気になって仕方がなかったんですね… あれは恋だったんだろうなあ。
中学生だった俺にお金などないですから、どうすればあの素敵な人の音楽が聴けるのだろう?ってすごく考えましたが、当時はCDなんて高価な品だったので、とてもじゃないけど子供が買えるような代物ではありませんでした。だからその曲については、しばらく謎のままだったんです。当時は子供がパソコンなんかとんでもない(つーか一般家庭にそのようなものは存在しないのが普通だった)、 テレビすらかろうじて親の目を盗んで見れるくらいでしたから、情報を入手する手段が本当に限られていたんです。かといって学校で友達に聞くのもためらわれたので… チャゲアスが好きとか言うと友達に「えーっ」て言われそうな気がしたので誰にも聞けませんでした。
で、そのまま日は流れて、ある日ラジオのベストテン番組で「天気予報の恋人」という曲がかかったので、あ!あの素敵な人の曲だ!って猛烈に感動したんですけど、それもすぐに曲が終わってしまったのでカセットテープに録音する間もありませんでした。その曲についてもずっと気になって、しばらく勉強も手に付かないほどでした。
そうして、たった一度きり聴いた歌たちの記憶がどんどん自分の中で煌きを増していって、その煌きの中で歌う飛鳥さんのイメージだけが神のように自分の中で感じられるようになっていました。アルバム「PRIDE」が売れた頃の飛鳥さんのカリスマ性はすさまじいものがあったと思います。
高校生になってバイトをするようになってから、ようやくチャゲアスのアルバムも買えるようになったんですけど、もうその頃には俺の関心はゲームのほうに移っていたので。当時人気だった機種PCエンジンDUO-Rで出るファルコムのタイトルの音楽CD集めに金が全部つぎ込まれてしまって、そのまま飛鳥さんへの恋心も次第に薄れていってしまいました。
でも、今でもまだほのかに恋はしてます… 俺の中では飛鳥涼という男性は、別格です。ちなみにアルバム「PRIDE」の中ではLOVE SONGと、砂時計のくびれた場所が好きです。飛鳥さんほどの詩人は存在しないと思う…
あー、それと俺の中でも歌を聴くときの比重の置き方が変化したのかもしれない。子供の頃は、歌詞の意味なんか考えずに、曲全体の雰囲気で良し悪しを判断していたけれど。大人になってからは、歌詞の意味を重視するようになりました。鬼束ちひろに嵌ったのも、歌詞を重視していたからこそなのかもしれません。女性アーティストでは鬼束ちひろほどのカリスマは存在しないと思います。鬼束ちひろの曲では、イノセンスの歌詞が好きです。
goo blog funamushi2 - 2007-02-08 11:48:18 コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )