heartbreaking.

中年の末路とその記録

「梯子たんヲチ」のかつての住人たちに向かって、ヲチ対象であった俺本人が語る(※ 超長文)。−1

俺は「梯子たんヲチ1」?「梯子たんヲチ13」(スレ立てる人のミスで「5」はもともと存在しない) まで立てられたある意味伝説のブロガーなので(自分で言うな) ここで万を持して、踊り子本人の気持ちを語らせてもらう。

「梯子たんヲチ1」のスレが立ったときは正直、自分みたいなリアルじゃ誰にも興味もたれることない存在に、こんなにも多くの見知らぬ人が何らかの興味をもっている(!?)ということに内心密かに感激し、
どうにかこれを継続させなければ、自分は「終わってしまうのではないか…!?」
という恐怖も同時に抱え込むことになった。

ヲチスレの住人たちは、ヲチ対象をただ単に貶めるだけでなく、本人やただの一見さんにも共に興味を抱かせる香ばしい調理方法で、ヲチ対象を食えるように仕立てあげるのが時に天才的に上手だ。そしてそこに、ヲチ対象である本人も乗っかりたくなるのは何故か。…もちろん自分専用スレなら確実にチェックしてるサ(万一個人情報漏れても困るしな!) 俺のヲチスレは全部ローカル保存だよ(今でも見てるよ!)

そこから悪い病気が始まる…
そいつらにもっと面白がらせるために、もっと自分について盛り上がらせるために、ヲチャーが望む自分の姿をブログという舞台を利用しながら実現しようとしてしまう… 今のスレのムードはなんとなくsageだな… このままじゃdat落ちするか?というのも恐怖だった。どうにか俺に対する関心を続けさせるために、次の俺の切り札は何だ?

そしてヲチャーは俺に何を望む…!?
笑われても構わなかった、俺を使えるように調理して皆で使える芸人に仕立て上げて、そうしてアクセスが増えてより多くの注目を集めることができれば、それが目標だった。俺はリアルの自分がなんでもないツマラナイ存在だということを痛いほど深く知るからこそ、ネットでの自分の知名度に病的なほどにこだわった。

だが自分にはたとえばカノセ様やフロムダ様のような本物の実力も知性もない。だからこの身を削りながら文章を打ってきた。リアルに生きて、ネットを遊びだと括りたがる人には「馬鹿みたい」な行動でも、その馬鹿みたいな世界に自分が唯一人々に「価値ある存在」と認められるただ一つの光明を見出していた。

もともと何もない一般人の俺が語れることなど、自室の日記帳につづれる程度しかなかった。そこで時にはヲチスレの住人からヒントを与えてもらい、
そうか… 俺はもうそこまで落ちなければ関心を集めることはできないんだな…
とわかると、今の自分に可能な範囲でもっと駄目な自分を演じることに必死になったり、その苦悩を察する鋭いコメントをスレに見つけると、いや俺はもっと「飛ばなければ駄目だ!」と、平凡に埋没しつつある自分を鼓舞し、何度も文章で立ち上がった(だがリアルではぜんぜん立ち上がれてなかった…)。

ここにまた、ネットとリアルの俺の非対称性が生じ、その狭間で本当に守るべきものが何なのかもわからなくて、最後には救いようのない底辺にまで落下していったが、ネットとリアルの境界線なく結合して燃えながら落下していく俺を見てもスレ住人たちは勿論、俺のために本気で悲しむことなどない。
だがそれでいいと思っていた。俺は人々の関心をなるべく長く引きとめておきたくて、本当はつまらない誰にも関心もたれない程度の自分をグシャッと丸めてゴミ箱に捨ててしまいたい気分のままに自暴自棄に踊り狂っていただけなんだ…

誰かが「梯子たんヲチ6」スレで、

「もっと足掻けよ、芸人の維持を見せろよ。」

と俺に言った。この一文と、手錠をはめられた俺のAAを見て、そうだ俺は芸人なんだ…
ブログ芸人だ!
こんなところで、くたばるわけにはいかない!もっと祭りを続けさせるために、俺は踊り続けなければならないのだ… と、本当はもう何もない、膝をつき手元を探っても埃しかない状態の中でも、スレ存続のために踊ることをやめなかった…

俺は人々から好機の目で覗き込まれるだけの、水槽の中の小動物でも構わない… 誰にも見られることなく、凍え死ぬしかないなら、笑われてもいいから常に誰かに見つめられながら踊っていたいと思うのだ。
俺は文章の中に死んでも構わないと思っている。つまりリアルを犠牲にして、時にはこの命を投げ捨てても、それが文章になり、より多くの人の心に刻まれるのであればそれでも構わないとすら思っている。