heartbreaking.

中年の末路とその記録

俺が攻撃したのは、自分

両手両足が潰れそうなほどの重圧の中で一人部屋の中で苦しんでいても誰にも言えない。

本当はもう働けない。俺が一番よくわかってる。もう無理なんだと。

正社員の仕事を辞めてから、この4か月間で6カ所の職場で面接を通過したので、それぞれの会社で必死に働いたが、不安と恐怖で眠れなくなり、最後には、今日は休みますという電話連絡すら入れる勇気が出なくて、部屋で布団被っていたら、電話が鳴りやまないので電源切って、一日一日が過ぎてくのを、ただ待ち続けて、そうして気持ちが落ち着いた頃にまた、求人情報誌を見て電話をかけて働き出すが、不安で勤務時間がくる直前まで全然眠れなくなる。仕事内容なら事前に頭に詰め込んで万全の態勢だったにも関わらず、寝不足すぎて、あとは同じことの繰り返しだった。

4か月間で、正社員も含めて6カ所採用になったのに、ぜんぶ辞めてしまった。辞めたというか、自然消滅みたいな感じで俺が黙って消えてったけど、連絡もこないままの会社もあったし、派遣の場合は営業が俺のマンションまで来て時々ピンポン鳴らしながら半日くらい外でじーっと待ってることもあった。俺は怖かった。人間として、終わっていると思った。また同じ結果で、信用を失った、笑ってた。煙草に火を付けてすべてをうやむやにしてしまいたかった。でも俺は普段、自分でも嫌になるほど愛想がいいから、もしかすると、俺がうやむやにしたつもりの相手は、覚えているかもな……そう思うたび、死んでしまいたいと思った。

俺はもう普通の人間ではないのかもしれないと悩んだ。

死んでしまえたらどんなにらくだろうと思う。今日も頭の中に、俺が死んだ後に悲しむ親の姿が浮かんできてどうしても無理だった。

これ以上、人に迷惑をかけ続け、生きていてなんになるのだろうと思いながら。

泣きたくても泣けない。俺の過去なんか他人にとってはどうでもいいことで、言い訳にはならない。

それを言い訳にして病院に駆け込むのは簡単なことだ。

精神科で初診料払うくらいの金ならかろうじてある。だけど、それを許さない自分が、こんなにも苦しめていることを、本当は知っているのに、逃げ出そうとする心を、この足を掴んでこの場所に引きずり倒していつまでも苦しめる自分が、許してくれないから、死ぬって選択肢しかないんだ。

死なないために、ツイッターでいつまでも呟いてみたり、ブログで真っ当なことを書いてみたり、ゲームをしてみたり、するけど、本当は、どうしたらいいのかわからない。

俺は精神病名に関する記事で多くの人を傷付けた。

だけどそれは自分が駆け込みたい逃げ道を自ら断ち、もう一度……もう一度だけ、頑張ってみようと思いたいから、自分を信じていたいから、必死で書いた記事だ。

俺が攻撃したのは、誰でもない、その場所に、精神病名に本当は全力で逃げ込みたい俺自身なんだ。

俺の心の中は、とっくに、真っ当に生きることを放棄しはじめている。何でこんなに苦しまなきゃならないんだ。好きで堕落しているわけじゃない。働きたいんだ。だけど、流石にもう、次の職場で無理だったら、観念して死んだ方がいいと思ってる。社会復帰できるかどうか、自信がない。なにより、自分が努力出来るかどうか、頑張れるかどうかということを試すために、会社の人達に、派遣会社の人達に、これ以上の迷惑はかけたくないんだ。俺みたいなのは社会に出ちゃいけないのかもしれない。たくさん人に迷惑をかけてきた。うやむやにして逃げようとしたことは数え切れぬほどある。きちんと働けていてもあまり長続きはせず、今まで会社で最も長く務めたのはたった3年間で、他はだいたい数か月か半年ですぐ退職してあちこち転々としてきた。逃げるように……一度失敗した会社の周囲はもうウロつきたくないからどんどん行動範囲も狭まってくる。やましいことだらけ。人間のカスで、生きてる意味もない、それでも、最後に死ぬって選択肢だけは選べる自由が欲しいのに、俺を大切に育ててくれた親の顔が浮かぶとどうしても、出来ないんだ……