heartbreaking.

中年の末路とその記録

キンクマが来て1年以上経った

うちにキンクマハムスターがきて1年2カ月が経ちました。名前はハム助です(途中で呼びやすい名前に改名しました)。36歳です。臆病で大人しくて賢いです。飼い主がアマプラで洋画を観ているときもカリカリ聞こえてくるくらい頻繁になにかしら食ってるので程よく太ってます。

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食う以外はだいたい寝てます。日中は目が糸みたいに細くて不機嫌そうです。主食はペレットなどですが、生ものが食べたいときは飼い主の気配のする方向に向かって歩いてきて待機しているので急いで冷蔵庫からなにかしらあげてます。ブロッコリーもリンゴもキャベツも近頃反応が薄い。ハム助に食べ物の値段はわかりません。なにが高級でなにが経済的か。

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ハム助が異常にそわそわして残さず食べてくれる食べ物はもやしです。

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「この銜え心地。間違いない、これこそはあの伝説の食べ物だ」

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「この最上級の触感。噛むごとにお口の中に広がるみずみずしさ」

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このように、どう見てもかわいいです。知人が驚いてました。犬猫は手を使わず食べるのに、ハムスターは手を使って食べていると。確かにハムスターは小さなおててを器用に使って食べてます。人間がちょっと力を入れただけで潰れてしまいそうな頼りないおててでしっかりと食べ物を掴みます。飼い主の指もエイっと押しのけながら、もやし4~5本を程よい長さに分けて急いで頬袋に詰め込み、定位置に戻るとこちらに背を向けてあらためて落ち着いてそれを食べているようです。もやしを求めてよろけるほどに、美味しい食べ物があるとそのことしか見えてなく一生懸命です。飼い主としてはもっと回し車で走って健康維持に努めてもらいたいのですが、来て間もない頃は回し車で必死に走ってたような気がします(いまはあまり見ないので飽きたのか)。食べ物をあげるとき以外のなんでもない時は、広い衣装ケースの中すべてがハム助の領土なのに、隅っこから一歩進んだ先は危険がいっぱいといわんばかりにギクシャクとほふく前進しています。懐いているかどうか不明です、大きいやつが外の世界にいてそいつが気まぐれに食べ物を投下してくれたり、迷惑なことに心地良い寝床を掃除をしたり余計なことをすると感じているのかもです。ウッドチップを入れ替えるときに貯蔵してあるごはんも処分するとたまにキュッキュッと鳴くので、ハム助の強い意思表示を感じるのはその時だけです。なにすんだよと抗議しているのかもですが。ぼくの領土は荒さないでくれ不要物はここに置いとくからなという意味でしょうか毎朝うんこを定位置から一番遠い対角に集めてくれてます(掃除しやすいので助かります)それは単に鼠の習性なのかもですが。飼い主は手巻き煙草をハム助に遠慮してユニットバスで吸うのですが、万一この手巻き煙草の葉が床に落ちていてそれを食べたら大変なので可哀想ですがお散歩はさせてません。一度脱走したことがあるのですが人間の生活スペースをさも当然といわんばかりに歩いている姿にハム助がかつてない充足感を得ていると感じとれ、しばらく散歩させるかどうかのことで悩みました。外の世界は危険がいっぱいと言う理由でいつも同じ衣装ケースの中に閉じ込めておくのは、ハム助の自由と生きる気力をいささか奪っているのかもですがなによりおそろしいのは外に出したためにこの小さな命を失うことなので、すまんと毎日心の中で謝ってる。そのうちダンボールかなんかでハム助が遊べる大きなスペースをこさえて走り回らせてみたいと思うだけで休日は腰が重くて行動にできてない。電気を消すと夜は、日中糸みたいに細かった目が大きくらんらんと見開いて元気に衣装ケースの中を散歩してるようです。トイレのドアを開ける時そこから零れる薄明かりでそっと確かめてます。ハム助がいつもの定位置を離れたところでウロウロしてる様子を見て、毎晩安堵している感じです。私がベッドに横になってるとハム助の遊んでる音がカタコト聞こえてくる。衣装ケースは幅39×奥行74なので仮に一生この中で過ごすとしてもそんな窮屈感は与えていないとおもいたいのですがやはり散歩は必須ですかね。ハムスターがなに考えてるかなんてネットで調べても想像の範疇でしかなく、何考えてるのかいつもわからないです。たまにウインクしたように見えることもあり意外と表情豊かなのですが、無理に触ったりはしてない。触りすぎることでストレスを与えて早死にさせてしまうかもしれないのも理由ですが、単に飼い主が神経質なのもある。多分こいつは噛んだりしないだろうが、指が傷つくと仕事にも支障があるので、色んな理由があってとにかくあんまり触ってないです(観るだけ……)若い頃は心が病んでいて(それは理由になりませんが)ジャンガリアンを餓死させたり共食いさせたり何匹か飼育放棄して山に投げ捨てたり住宅地の裏道の川に流したり(箱に入れたまま)した飼い主ですが、そのことは反省していて、そんな彼らにどう詫びる術もありませんしハム助には直接関係ないかもしれないことですが、おまえを育てているのは過去にそんなことをしたやつなのだよということを彼は勿論知らないで一生を終えるでしょう。ハム助を大事にしていますが、過去にもう一匹だけ大事にしていたハムスターがいました。ジャンガリアンでこの手の平の上で安心してくつろいでくれるような懐いていたのですが当時私は実家にいて、ある日ベランダの戸を母が開けっ放しで洗濯物を干していた合間に近所の野良猫が私の部屋に入り込み、私が目に入れても痛くないほど大事にしていたそのこを奪い去ってしまいました……猫に咥えられひと息に殺されるのではなくいたぶられ殺されている光景を想像して絶望し三日くらいは誰とも物を言わなかったです。ハム助はそのこのように懐いているわけではないのですがいつかお別れする時が来たらということを1年以上経過して考えることが出てきました。私がごはんをあげるのと掃除をする以外はあまり触れずに観るだけにしていることがハム助にとってしあわせなのか、この手で触れてあげることが彼の(もしあるとするならば)退屈さやさびしさを取り除くことができるのか。もう1年以上も経つのにいまさらなので、そっとしといてそれで長生きしてくれたらいいか。まるで、片思いをしている。毎日見つめ続けるだけの日々、ちょっと触れただけで嬉しくなる。煙草の葉など危険なものの誤飲を防げる散歩スペースをいい加減作ってやらないとこいつが死んだとき後悔しそうだ。長々とまとまりもなくハムスター愛を述べました。

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