heartbreaking.

ゴッドウォークン

ロミオの青い空―読み書きを習えず労働するしかない子供たち

「ロミオの青い空」(1995)世界名作劇場 第21作目

アマプラ無料で全33話観終えたところです。

アクション面では突っ込みどころ多いのでそれについては後述します。大事なことを言っておくとロミオはどんな高さから落ちても死なないです。

このアニメは何を教えてくれるか。

一つは現在、義務教育が先進国に浸透していることの素晴らしさと、それにより文字が当たり前のように読めることの有難さです。

文字が理解できないことが、どれほどのハンディを背負うことになるのか。

物語は19世紀半ばスイスと・現在のイタリアです。

多くのヨーロッパ諸国では領土争いが頻繁に起きその中で貧しい家庭に生まれた子供たちは大人たちの手で農業や工業の労働に駆り出されていました。きちんとした教育を受けられなかったのです。

より良い人生になるために必要なのはなにか。

手を引っ張って良い方向へと導いてくれる人との出会いがすべてです。

主人公は煤(すす)だらけで労働をこなしながら道中での数々の出会いを大切にし、たくさんの人助けをしながら大人たちの心まで徐々に揺り動かし、ついに運命とも思える出会いを果たしました。

親切な教授に文字を教えてもらえたのです。私もロミオと一緒にこの喜びを感じました。

努力とは、ただがむしゃらに頑張るだけで良い結果が出るのでなく、出会いの運がその人の、努力できる可能性を目覚めさせるのです。子供を導いてくれる人がいなければ貧しい家庭の子供は教育を受けられません。

貴族と平民の暮らしの違いも描かれていて、明確に線引きされているので、主人公たちはその身分の違いを疑問に思っていない。その素直さを私は悲しいとおもいました。 彼らはただ毎日の煙突掃除に命をかけることでしか生きられないからです。勇気を与えてくれるのは、煙突の頂上から顔を出した先に広がる大空だったのです。

私たちも普段何気なく見る青空を、

この物語を観終えることできっと、当たり前の素晴らしさをオープニング曲と共に再確認できるはずです。

貧困により学校に通えぬ子供は働くしかない。それは今現在もあることの悲惨さを教えてくれます。そのことを、これほど強きメッセージを残してくれる作品をこれからも語り継いでほしいです。

今も学校に通えない子どもと若者、2億6,400万人(2017年時点・ユニセフ)いるそうです。

もう一つは、悪い人間の中にも二種類あるということです。ずっと悪いまま変わらない最悪なままで生きる人間と、

良い人間へ近づける可能性を秘めた人間がいるということです。後者は、人の優しさに触れることができたらきっと変わることができます。

その他は、命の重さと友情の大切さがありったけ詰まってる物語です。

* * *

以下はネタバレです。

ダクソなら―YOU DIED-になってるかもしれないシーンを目撃してます。特に主人公のロミオはサイボーグです。

何日も飯を与えてもらえない・掴まれ殴られる・投げ飛ばされる、大人に銃で狙われる、日常的に煤を吸い込む等は省略。

ロミオがもし私だったら重体か死亡している場面を数えてみました。

①山火事の猛烈な勢いの炎と煙の中に飛び込み誰の助けも借りず自力で戻ってきた ②流れの激しい濁流に飛び込んで水中からアルフレドの荷物を見つけ出し岸に戻ってきた ③嵐の夜に舟が高波にのまれ転覆したが溺れることなく、大時化に揉まれながら潜水し水中に沈もうとする大人を救出 ④火を消したばかりのアツアツの煙突の内部を登っていくが足を滑らせ高所から落下。親父に水をぶっかけられすぐに仕事に戻った

⑤強盗団が仕掛けた爆薬が警察署内でロミオと共に建物を破壊するほど大爆発するが頭に包帯を巻いただけで生還した ⑥兵士に銃で狙われながら怖ろしいほどの高所で綱渡りをし向こう側へ渡りきる 

骨折しそうな高所からの落下なら他にもあります。下に垣根があったとしても流石にその高さで無傷は…でも生きてます。そんなロミオも最終回手前でようやく人間の体に戻れたようで屋根から落下して脚を骨折しました。

どの声優も素晴らしい演技ですが、檜山さん(幽白の飛影)だけ妙に突出していた気がします。

さらに、少女たちがとても可愛いです。ニキータとビアンカのほっぺを赤く染めた姿はそりゃもう可愛くてきっと好きになる。

病弱のアンジェレッタはたまにヤキモキさせられるので(あのシーンと、あのシーンと…もうキリがない)この物語内で最も疲労するキャラです。

アンジェレッタが肝心なときに声も出せなくなるあのシーンは、普段しゃべっていたのに何故?と思うかもしれない。でも、大人ですら本当にショックの大きい時は声が出ないんだ。

今作、影の功労者はロミオの動物のお友達ピッコロ(オコジョ)。いつもどんな時も、仲間たちが傍にいない時にはロミオの窮地を救ってくれる賢いやつ。技=顔面ひっかき。

ロミオの両親については、少し残念だった。しかしそういう時代だから仕方ないのかもしれない。貧困を理由に子供に命をかけさせている。親に広い世界の知識がないばかりに、子供の運命の深刻さを本当には理解できず旅に送り出してしまっている。ロミオの方がずっと大人だった。

ロミオを初め煙突掃除をする子供たちは早く大人になりたいと願うが、彼らは旅立つ時点からほとんどの大人より立派だった。

私はこの物語を最後まで視聴して、なんだかとても晴れた気分だ。そして勇気を与えてもらった。大人こそ見たほうがいい素晴らしい作品だ。