heartbreaking.

中年の末路とその記録

此処まで、おいで。

僕の歪んだ左手が
歩き出す君の足首を掴めば

君の爪先は
終末を指す
紅い秒針に変わる

僕の秒針は
君と出会ったあの日
執着という名の
醜い左手を産み落とした

君が苦痛で垂れ流す
愛液に塗れた指先で
僕は
君の秒針を折れるほど
強引な力で
破滅へと導きたいのさ

僕の愛を感じるかい
僅かに罅割れた秒針の
亀裂に舌先をねじ込みながら
可笑しくなるぐらい
繰り返し囁くよ

痛みが快楽に変われば
今より僕を愛してくれるかい

目が潰れるほどの闇を
君の名で埋め尽くしながら
二人が溶け合う
生暖かい終末を待ち続けるから
気が狂うほど愛してあげるから

早く此処においで