heartbreaking.

中年の末路とその記録

病院に行ってきました …薬のある安堵感

昨日、「心療内科・精神科」に行ってきました。電話帳とネットの噂をよく調べてから、薬をあまり出さないと噂の病院に電話で予約入れて行きました。薬漬けになるのは嫌だし、副作用も心配だったので。

病院に着くと、田舎の裏通りなのにその病院の周辺だけザワザワと人がたくさん居て妙な活気がありました。市場みたいな雰囲気だった。病院の入り口に向かう途中も大勢の人たちがガサガサと貰った袋を大事そうに抱えて病院から出てくる。

こんなにたくさん人が出入りしているのに何故か怖くはなかった。全部、病んでる人だからだ。これに違和感を覚えないということは、俺も立派に病んでる人の仲間入りか?

ドアを開けて中に入ると、人気の病院のようで受付の前の待合室のイスはすべて埋まっているような状態だった。30人以上は患者が居て濃密な空気が漂っていた。もっと異常そうな人ばかりかと思えば、マトモな人ばかりで驚いた。スーツ姿の男性や、ブーツ履いて小奇麗にした若い女性まで。どの人も「どこが悪いんですか?」と思わず聞きたくなるような正気の顔をしているんだが…

受付には綺麗なお姉さんが沢山いたのでそのうちの独りに声をかけると愛想よく対応してもらえた。…と、目の前のカウンターに垢の他人の情報を記載してある紙が無造作に置いてある(汗。 見えるんだけどいいのか…?

初診なので受付で住所氏名と大まかな症状を記入する紙と板をもらったので、それを持って一箇所だけ開いていたイスに座って書き込んだ。

しばらくすると名前を呼ばれたので中に入ると、女性のカウンセラーが現在の状況についてかなり詳しくたずねてくるので、どこまで話していいか迷ったけど、性的な虐待があったことを中心にあまり感情的にならないよう外枠だけ淡々と説明をしてみた。相手は年配の女性だったので、かなり慎重に私の苦しみに共感を示しながら話を聞いてくれたので、若い女性のカウンセラーじゃなくて助かった… とこちらも安堵した。

待合室に戻って待つように言われたので、スーツ姿の男性と若い女性の間に座って本も読まずに手を組んでうつむいて待っていた。隣のスーツの男性の腰のあたりに体が触れたので、わざとその男性から離れないように触れたままくっついてた。

名前を呼ばれたので一番奥まった部屋に入ると、若くて清潔感あふれる先生が柔軟なものごしで「○○です」と挨拶をしてきた。30年生きてきて学んだけど、人間の印象ってもう最初の数秒で大体解る。嗚呼この先生が患者に向ける眼差しは誠実そのものではないかと感じたのでこちらも比較的リラックスしてイスに座った。

殺意を感じるとか、殺したくなるんです、といきなり言う勇気はないので… あくまで虐待経験がもとで現在も人間関係がうまくいかなくて悩んでます、のように何が原因だったのか?ということをまず先生に理解してもらうつもりで話した。虐待当時の状況についてはまだ詳しくは話していない。

さらに現在、お店に入ると最近の流行歌が必ず流れているのでこれが苦痛でお店にも入れない状態だということ。そして子供のギャーッという泣き声が苦痛だということ。さらにそれによる破壊衝動があることも打ち明けた。先生は嫌な顔ひとつせず、それは辛かったですね…と心から共感を示す表情をしてくれた。

この先生は、患者の話を聞きだすのが上手い… 普通、会話してると話と話が衝突してどちらかが黙る気まずさみたいなのが必ずあるけど、この先生と会話している中では一度もそういった気まずさを感じなかった。

最初なので安定剤を含めたお薬を出しますからそれで一週間様子を見てくださいと言われ、薬の説明も先生自らしてくれたので、嗚呼この先生は薬だけポーンと出すのではなく、患者の話を親身に聞いてよく噛み砕いた上で最小限の無理の無い薬を出してくれるんだなと、信頼していいかなと思えたので挨拶をして部屋を出た。

今は何処の病院も薬漬けだって言うじゃないですか。

だけど、この先生は良心的でした。先ず安定剤を先に出す先生は、より慎重型な良い医者らしいです。おそらくあの若い先生は、大病院で多くの患者を診てきた先生ではなかろうか。この先生なら信頼して良さそうだ。

受付に戻るとだいぶ人が減って静かになっていた。ちょうど混んでるときに来てしまったらしい。隣には若くて綺麗な女性が座っている。この人は何に悩んでいるのだろう…?恋愛か?恋愛で精神科?…恋愛の悩みくらいなら自分で治せよ、な?(勝手に想像して勝手に心の中で説教する俺)

病院も気をつけないと、カップル受診で男女がイチャイチャしながら通う場合もあるらしい。そうゆうのは止めてくれないか…

受付で金払って、薬をもらって俺もゴソゴソ袋を抱えて病院から出てきた。…ん?何だこの安堵感は。「病院で薬をもらった」ということに対して安堵している奇妙な感覚。具体的に頼れるもの(薬) が手に入ったという満足感。

やっと病人になれた… 長い道のりだった。帰宅して薬を飲んでちょっとだけ横になるつもりが、気付いたら真夜中の1時過ぎまで寝ていた。起きた後もそんなに頭はボーッとしていない。少しずつ薬が効いてくるらしいので、この調子で一週間様子を見ながら、保障のしっかりした企業を今月中の目処で探したいと思う。薬を武器に、仕事に挑むのもアリか。

自分に必要だったのは破れかぶれの恋愛ではなく、まずイイ医者と薬だったんだな。自分が病人であるという認証が欲しかったんだ。普通の人として無理をして生きてきた今までは、何で解ってくれないんだ!の連続だったけど、これからは薬が俺を解ってくれる… はず。順序を間違えていた。これで少しでも暴力的な衝動が収まるとだいぶ他人との接触もラクになるのだけど…

最後になりますが、はてブ始めネットの皆さんのご意見が実際に役に立ちました。有難うございます。

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