heartbreaking.

中年の末路とその記録

交通事故で添えられた花を、凝視してはいけない

私は霊感が強く、幼い頃からよく金縛りにあっているのだけど… そういえばこちらに引っ越してから一度も金縛りにあっていない。これは何を意味するのだろうか。

実家の土地になにか憑いていたのだろうか。

私と母は常に以心伝心だった。私が霊を見た夜は、必ず母も霊を見たと言うのだ。

数年前、夜中の10時に、行きつけの本屋に原付で出かけると、本屋の前に立つ電柱の傍に新しい花が添えられていた。

誰かが交通事故で「ここで」死んだのだろうか… それも数日の間に。

私はその花を思わず凝視してしまったのだ。それが間違いだった。

その夜、いつものように眠りにつくと、夢の中で学生の男の子がヘッドフォンを被り、勉強机に向かって頭を振り乱している姿があらわれた。嗚呼、この少年はお気に入りの音楽でノリノリのようだ、しかしこの男の子は誰だろう… とても鮮明な映像だったが、顔は見えない。私はその男の子の頭上から、その様子を眺めていたのだ。

と、そこでその映像が掻き消えると共に、私の体は動けなくなった。ぐっ、苦しい…

続いて、ヘルメットを被った少年の姿が脳裏に浮かんだ。なんだこれは… はっ、ま… まさか!あの電柱の花に乗り移っていた少年の霊が、私の肩に乗って付いてきたのだろうか。

金縛りは長く続いたが、その翌朝、下の階で眠っていた母にそのことを告げると、なんと母もその夜、暗闇に一筋の黒い柱が立って、私の居る上の階に向かってそれが移動しているのを「見た」と言うのだ。さらに、少年の姿を「見た」と言うのだ… こんな偶然があるか。

さてこの話をあなたは信じるだろうか。私はこの他にも、母が事故にあう当日の朝、それを予知する夢を見て見事的中させている。床が底なし沼のように溶けかけた四角い部屋の隅で、母が苦しみ、私に助けを求める姿を「見た」のだ。その日の午後、母は事故にあった。

不吉な夢を見た朝は、必ず誰かにその夢の内容を告げてください。私は夢の内容を告げなかったために、母の事故を食い止めることが出来ませんでした。

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