heartbreaking.

中年の末路とその記録

整形手術について、経験者として語ってみる。

世の中には努力してもどうにもならない事が確かに存在する。

俺は努力してもどうにもならない事を承知の上で、どうにもならない世界の中で精一杯足掻く事に意義を見出そうとしている。整形手術しても自分の思う通りには成らない。芸能人みたいに稼げるなら整形を繰り返し完璧に近付けるが、一般人には経済的な負担が大きすぎる。俺が手術した頃に比べれば、整形手術の値段もだいぶお手軽になり、ふらっとデパートに立ち寄る感覚で手術に及び日帰りする人も多いようだ。

だが整形手術しても、新しい自分に生まれ変わる事は不可能だ。人々に蔑まれ生きてきた過去の悲しみを、偽物の美しさ(しかも期限付き)で埋め合わす事は出来ない。この人格のままに外面だけ整形で誤魔化しても、その外面に見合う態度が取れない不自然な様子は自分も違和感を覚えるし、周囲も異質な空気を察知してしまうものだ。

精神と肉体が同じ年月を辿り、共存してきた結果が今の自分を形成している。自分が納得いかない醜い体であっても、この精神はこの肉体と共に手を取り合い過ごしてきたのだ。だから突然、肉体だけを整形で変化させてしまうと、精神だけ置き去りになり、アンバランスな自分を作り出してしまうのだ。

整形する事で幸せになれるとか、新しい自分に生まれ変われるというのは余りにも短絡的すぎる。整形手術というものに、永久的な保障はない。人体が衰えて行く中で、整形手術をした箇所は次第にその違和感を増して行くのだ。一回の整形手術に永遠の保障はないから、故に一度でも整形手術をした者は、人生の中で何度も苦境に立たされ、その度に手術を繰り返すはめになる。普通に近付く為に、尋常ならぬ金を捻出しながらも、違和感を増して行く恐怖と戦い続けなければならない。一度でも足を踏み入れたが最後、愛してもいない者達の前で繰り返し恥じを晒しながら、ニセモノの体を維持する為に金を消費し続けなければならないのだ。自業自得だろうと、整形手術を馬鹿にする人が居るが、果たして本当にそうだろうか。整形に踏み切るまでには、その箇所に対する他者の侮蔑に悔し泣きしながらも何も言い返せない夜を幾夜も過ごし、その結果悩みに悩んで整形手術に踏み切る人も多いはず。だから俺は、自業自得だろうという言葉には怒りを感じる。

人は、他人の幸せや、自分に無いものを持つ人に対して怒りや嫉妬を感じるものだが、今ある自分の状況をあるがまま受け入れるしかないのだと感じる。今ある自分を愛するしか、生きる道は無い。俺は俺を愛しているんだ、何があっても俺を見捨てない。俺の前で全て曝け出せ、俺が全て受け入れて抱きしめてやる(ナルシストではない。 俺の人生は、そうするしかない非常事態が続いている。

こんな事を考える時点で俺は、かなり追い詰められているのかもしれない。独身者や、身体的・精神的に何らかの深刻な事情あって性行為に及べない孤独な者たちにとっては、とかく生き辛い世の中である事は間違いない。

貴方がどんなに孤独だと感じていても、このブログに来てくれれば、少なくとも貴方の望む孤独はここにある。俺は一生独身のつもりだけど、そんな寂しい自分にちょっとずつ光を当てて、明るい方向へ進ませてやりたいと足掻いている。今、孤独である貴方と共にこの世界で精一杯足掻いて生きてみようと思う。

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goo blog funamushi2 - 2006-09-03 19:50:30 コメント ( 9 ) | Trackback ( 0 )

コメント

追記です。 (ゆがんだはしご)
2006-09-03 20:38:55
俺からの助言です。これから整形手術をする予定の人達は、目先の手術代だけを用意すれば良いというわけではないのです。
万一、自分の想像とかけはなれた結果に終わった場合、それを直す費用も同時に準備しておく必要がある。二重まぶたにするとか、簡単な整形ならばそこまで考える必要はないのだが、かなり思い切った整形手術に踏み切る場合は、先のリスクまでカバー出来るだけの金をためてから手術に踏み切るべきです。
手術が思うとおりの結果にならなかった場合、その不完全さのままに、再手術する費用もないまま耐えてゆく年月は地獄の苦しみに等しいです。

Unknown (R)
2006-09-04 00:02:30
苦しい心を綴り、身を切り続けることは、
血肉の一部分が悪によって汚染されてしまった自己の純粋性の回復と、
魂の復活を自らの手で獲得するために、
今のはしごさんには必要なことなのでしょうか。
祈りは呪いを少しでも和らげることができるでしょうか。
はしごさんのこの苦しみが、
少しずつでいいから光に近づけるよう
祈っています。

Rさん、こんばんは。 (ゆがんだはしご)
2006-09-04 04:02:07
俺の場合は、精神科では解決出来ない問題のように感じています。仮に良い精神科医が見つかり、その医師に頼りっきりになったとしても、肉体的な問題が置き去りになってしまうので、どっちを先に解決して進むべきかと考えた場合、まず肉体的な問題と折り合いを付けるのが先決だと考えました。
結局のところ自分の精神を最も良く理解し、なだめる事が出来るのは、現状で強く生きようと努力し続ける自分しか居ないので、俺は自分で自浄して行くつもりです。ただ肉体的な悩みについては、医師の協力を得ないと自浄不可能なので、前向きに善処しようとしているところです。
Rさんのように励ましてくれる優しい人に出会える度、ブログを続けていて良かったなと感じます。心配していただき本当に有難うございます。

Unknown (雨宮)
2006-09-04 10:33:17
はしごさんの前向きな姿勢が見れて良かったです。
これからも陰ながらに応援しています。
上手く行く事を祈ります。
そしてその変化がはしごさんにとって
大きな意味を持つものになる事と信じています。

雨宮さん、こんばんは。 (ゆがんだはしご)
2006-09-04 22:43:24
リアルバレが怖いので余り詳しくは話せないのですが、前向きに事を進めているところです。身体的な問題が少しでも緩和されれば性格も明るくなってくるだろうから、このブログで綴る文章も様変わりしてゆくだろうと思います。一人で生きて行くにしても少しでも明るい方がいいですし、俺もこんな暗いままで生きてくのは嫌なので、、医師と良く相談した上で金銭的にカバー出来る範囲で適切な処置を受けようと思います。
いつも俺が危機的な状況のときに、コメントをしてくださるので、貴方の思いやりの心に救われています。
選択的無言症のように世に余り認知されていない特殊な症状に悩む人達は、皆優しい人が多いと感じます。やはり世の中から迫害されてきた苦しみを知るからこそ人にも優しく出来るのかなと思いました。また気軽にコメントくれると嬉しいです。いつも有難うございます。

こんばんは。 (fivesister)
2006-09-05 04:10:23
こんばんは。いきなり来てしまってごめんなさい・・・(今後は本当に止めるつもりです)。迷惑をかけて怒らせてしまって、今、とても後悔しています。
心が温かい人たちがたくさんいらっしゃるみたいなので、安心しました。
私もゆがんだはしごさんの幸せを願っています。
ブログを書くことが耐えられなくて止めてしまったので、URLを書かなかったことをお許しください。

こんにちは (シャア)
2006-09-05 16:08:14
お久しぶりです。覚えていらっしゃらないかもですが。
私には、ゆがんだはしごさんが、追い詰められているのではなくて、生物として当然の行動をされてるんだと思います。
それは、前に進んでいるのだと思います。
心と体は一緒です。形は違えども、言うことを聞いてくれない体には、私も手を焼いてます。
実は私も、(比べ物にはならないので失礼かな、とは思うのですが)ゆがんだはしごさんのように、ずっと足掻いてました。
ある時、コイツラより先に死んでたまるか!となって、現在に至り、まだ憎しみもありますが、今ではきっかけをくれたと感謝すらするようになりました。
変われば変わるもんです。
ゆがんだはしごさんにも、これからも落とし穴も色々あるでしょうし、感情も乱れることもたくさんあると思います。
それでも休みながら、少しずつ足掻きながら歩けば、光が広がると私は信じています。
世の中不条理ですが、キレイゴトだとわかっていても、そう思う事が大切やと思っています。
どうか、うまくいきますように・・・。
そう、心から願っています。

fivesisterさん、こんばんは。 (ゆがんだはしご)
2006-09-05 22:12:21
書きたくても書けない悩みがあると仰ってましたが、確かにブログで打ち明ける事で不利になる悩みもあると思うし、俺の場合は明らかに俺が被害者である事が誰が考えても解る経験を持っているので読者の方の同情をいただきやすいだけかもしれません。
例えば女性の場合なら性犯罪について、俺のように語った場合、興味本位の男性が近付いてくるケースがあるかもしれませんし。その辺のセキュリティも兼ねて、自分がどの程度までどのように見せれば安全かという事は常に念頭にあります。
貴方を見ていると過去の俺のようにも思えてしまうので、つい厳しい事を言ってしまいましたが、結局のところ、ネット上での人付き合いにおいても、相手との距離を適度に保ち続けることが大切なのだなと感じています。俺も人との距離の取り方がヘタなので、人に説教できた立場ではないのです。色々言いましたが、あまり気にしすぎないで下さい。いつか引き篭もりから脱出出来ると良いですね。

シャアさん、こんばんは。 (ゆがんだはしご)
2006-09-05 22:14:00
以前、少子化の記事にコメントくださった方ですよね。貴方のコメントは覚えています。
世の中を動かす政治家が、お門違いな対策ばかり講じているようなので、、例えば今日はてブ経由で見つけたのですが以下のように。
http://www.sankei.co.jp/news/060904/sei063.htm
各々がブログを持って、それぞれの立場を主張する事が大切だと感じています。独身者の小さな主張でも、それと同様の主張が沢山の個人ブログで叫ばれれば、それが大きな力になると思うのです。
独身者だってのうのうと生きてるわけじゃなくて、既婚者と同等もしくはそれ以上の足かせを嵌められて生きてる場合だってある。だから俺は、もしこれからの世の中が子を成した夫婦ばかり優遇されるようになりはしまいかと危惧しているのです。
本当に、この世の中は本当の弱者がとことん追い詰められる不条理なことばかりですが、ただ恵まれるままに安穏と生きる若い恋人同士のいいようにこの世を乗っ取られてたまるか!と怒りを感じながら生きています。
肉体的な問題に折り合いを付けても、憎しみは消える事はないだろうと思います。この憎しみを生きるエネルギーにして俺は、加害者より必ずや長生きして、加害者の墓にツバを吐きかけてやるつもりです。孤独な者同士、共に強く生きて行きましょう(何か感情が高ぶってます、スミマセン。
お心遣いいただき有難うございます。


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