カマキリを捕まえて、二日間の絶食で餓死させた。一日目は元気に両腕の鎌を乙女のように構えたポーズで小首をかしげ元気そうだったので水もエサもやらなかった。 二日目は、嗚呼まだ生きてるなあ… って感じで時々眺めては「生き物と一緒に生活するのって何だかイイなあ…」とほんの少しだけ安堵していた。でも水もエサもやらなかった。水をやるとハリガネムシが出てくるんじゃないか…?って怖かったので、一滴も与えなかった。ハラビロカマキリは特にハリガネムシの寄生率が高い種類だからだ。でもこんな小さなお腹のどこにハリガネムシが入ってるんだ?腹部の節と節の間から黒くて太い線が覗いているけど… これは内臓かな?
こいつだけは特別に運のいいカマキリなんだと、そう信じることにした。
だが二日目の夜から異変が起き始めた。カマキリが容器の中で何度も腹を出してひっくりかえり、じたばたもがいていたのだ。さらに二日目の深夜は、虫のくせにまるで人間のように横向きになって静かに寝ていた。一気に老け込んだじゃないか… (いや水をやればいいのだが、、) 心配になって容器を振ると、飛び起きてパッと両腕を構えて例の可愛いポーズを取ってくれたので、俺も安心して寝ることにした。
そして朝がきて容器の中を見ると、カマキリはかつての鮮やかな緑色を失い、干からびて硬直して死んでいた。俺は何度も容器を振ってみたが、カマキリは動かない。…でも内心、ホッとしていた。ハリガネムシが出てこなかったから、こいつには寄生してなかったんだなって。そのまま死体を放置して三日目を過ぎ、四日目の朝… なんとカマキリの死体から干からびたハリガネムシが出ていたのだ。やっぱりこいつにも寄生していたんだな、と何だか悲しい気分になったし、こいつはこんな寄生虫をお腹の中に住まわしながら必死に生きていたのに捕まえて餓死させたりして悪かったかなと、少し、ほんの少しだけ哀れんだ。カマキリって不幸な生き物だな……
さらに拡大で見る(さすがにこれをひっぱる勇気はなかった…)
ハリガネムシがカマキリの脳を洗脳して水辺に誘うという説と、成虫になったハリガネムシがカマキリの胃の壁を食い破ることによって、胃が焼け爛れるように熱くなったカマキリは水を欲して自ら水辺に向かうのだという説がある。後者のほうが説得力がある。
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