heartbreaking.

中年の末路とその記録

目の前に居る、想い人の唇を奪うことは・・・ とても難しい

セックスよりも、チュウすることのほうが難しく感じられ、なんでもないようなときにフと、チュウしたいかなーとおもったときに行動に移せるかどうか・・・ 私はそこで躊躇してしまうのです。

何で今あえてここでわざわざチュウする必要があるのか、相手の顔を前にして、密かに自問自答するときもある。・・・・・・で、一人で葛藤しているうちに、だんだんおよび腰になってきて「出来ない」という結論にいたる(そんなに時間は要しない)。そういうときは、わざわざ相手に背をむけて寝てしまったりもする。自分の意気地のなさに早いところ見切りをつけて、もう眼を閉じてすべてうやむやにして眠りたくなる。

チュウするだけのことで、毎回、毎回、一人で小さく悩み、そして勝手に自己完結して終わりにしてしまう。今どうしてもやらなければならないことでもない。だけど言わなければ、私がまさか「チュウをしようとしていた」ことは相手には伝わらない。

枯葉が地面の上をカサカサと這うような乾いた風景が一瞬、頭をかすめ、・・・やがてこの喉元に、その残滓がへばりつく。

今回もチュウをしそこねた・・・ 自ら作り出した今の孤独が、じわじわと指先まで広がる前に、私はすべてに蓋をして、考えることも放棄して眠ってしまいたいのだ。嗚呼、神様、この勇気のなさの原因は何ですか?

相手も「・・・・・・」と無言で、もしかしたら待ってるぽいときもあるのですが、「もしかしたら待っているかもしれない」ことを察知してしまうとますます、それ以上動けなくなってしまうのです。

こんなことで嫌われたくない、と思う恐怖心もある(嫌われるわけはないのだろうけど、なぜかそう思ってしまう)。どうでもよくない存在だから、軽はずみに行動できなくなってきている。それでも体を触ったり、セックスをすることに躊躇はほとんどしない。それは勢いでやってしまえる。なのにチュウだけは、何もないところでいきなりは出来ない。想像以上に、現実は迷う。

嗚呼、チュウはなんて難しいんだ・・・ でも相手からしてくれるときは何も悩まないですんなり受け入れられる。ところが自分からとなると非常に難しい。どうでもいい相手なら、別にいつ嫌われたって構わないから適当にチューッと出来るけど、どうでもよくない・これからもずっと一緒に居る相手だからこそ、こんなに身構えてしまうんだろうな。いつも、いつでも自分の欲望のままに動くことで、相手を壊してしまいたくないんだ。

別にそんなに深刻に悩んでるわけじゃないけど(深刻だったら笑える)。