heartbreaking.

中年の末路とその記録

よかった

私を無視する旦那に怒りも感じたし殺意も感じた。この家を出て別居夫婦になりたいと思った。だけど夫婦には同居の義務があり、勝手に出ていくのはおかしいので、旦那に手紙を書くことにした…

ノートに書いては、納得いかないので破り捨て、何度も何度も書き直した。最初は感情のままにかなり攻撃的な内容だったが、自分で読み直して、なんだか自分の主張ばかりで思いやりに欠けていて「何様?」と思えたのでゴミ箱にポイした。

そうして夜も寝ずに、朝になるまで何時間も、旦那への手紙を一生懸命ノートに書き続けていた。どうすれば気持ちが伝わるのか… まずは旦那に対する感謝の気持ちから書いてみてはどうだろうか… 一文無しになった私を救ってくれた命の恩人である旦那への気持ちを書いているうちに涙が出てきたが、どうにか最後まで書き終え、そうしてアイロンかけたシャツとズボンの上に手紙を三枚置いて、私は眠りにつこうとした。だが何故か、しばらく眠れず、旦那への想いがこみあげてきて涙がとまらず、ただただ「寂しい」と思った。

朝、旦那が起きた気配がしたが、後で確認すると、アイロンをかけたシャツはおろか、手紙にすら手をつけなかったようで、私は落胆した。ここまで無視されるとは… もう手のうちようはないのだろうかとも思った。それでも私は、やはり諦めずに「手紙」にすべてを託すことにした。再び、二度目の手紙を書きはじめた。

相手に歩み寄ってもらうためには、こちらも謙虚な態度でなければならないと思い、夫婦で今後よりよく生活するためにはどうしたらよいか意見を聞かせてください、…のような手紙を書いて旦那の部屋にそっと置いて、私は仕事に出かけた。仕事中も私はただ与えられた仕事をこなすだけのロボットのように無感情で、このまま死んでしまいたい気分だった。夫婦で会話がないということがこれほど辛いことだとは…

そんなときポケットの中で携帯が振動したので、トイレに向かい、メールを確認すると旦那からの返事が入っていて、手紙に対する返答がきちんとそこに打たれていたので、私の気持ちは一気に明るくなってきた。そのあとは、仕事も笑顔でこなし、うれしい気分で家に帰ってきた。相変わらず、旦那は自室から出てこないし顔も見せないが、それでも二人にとっては大きな進展だったので、私はこの先に希望の光が見えてきた。

今度こそは、上手くいくように、言葉に気をつけないといけないなあ… 身近になりすぎて油断していたのかもしれない。

そして自分の気持ちを再確認するためにも、手紙を書く、ってことはすごく大事なんだなあ… と気付きました。私のように無口な旦那をもつ奥様におすすめです…(だってほんとに無口な旦那を持ってみないとわかんないのよ、この辛さは)