heartbreaking.

中年の末路とその記録

小池ゆりこさんの壮絶な過去を知る

子宮を失った現実を実感せざるを得ない状況が小池さんを悩ませた。というのも彼女の病室の2部屋隣が分娩室。斜め向かいには、新生児室があったのだ。
 医師から、できるだけ早く自分の力で歩くよういわれたため、小池さんは、点滴のスタンドにつかまりながら廊下をスリ足で歩いた。ゆっくり進む彼女を、大きなお腹を突き出した妊婦が追い越していく。新生児室からは否が応でも、生まれたばかりの赤ん坊の泣き声が、耳にはいってくる。妊婦や赤ちゃんを前に微笑み合う夫婦の姿も、目に飛び込んでくる。
「つらかったですね。つらすぎて手術後10日ぐらいは、一切、新生児室のほうを見る気がしませんでした。別世界にいるような感じで、もう素通りしてました・・・。
 悔しかったというか・・・。そうですね・・・悔しいという言葉になるんでしょうね」
 そういって、小池さんはうつむいて、しばし黙り込んだ。その表情には、改めて、子供を二度と生むことのできない無念さが漂う。
9月 女性セブン7月23日号掲載「宣告一瞬!子宮喪失」母になる夢破れて -小池ゆりこさんのサイトより一部のみ

いろんなかたちで子供をあきらめなければならない、女性たちが大勢います。
皆、ひとりひとりの女性に、大なり小なりの理由があるのだなと、気づいてください。
ある人が、ない人に、ほんの少し気遣いするだけで、だいたい世の中は丸くおさまる。ある人が、ない人に対して文句を言ったり、見下したり、逆切れしたり、絶対にしてはならない。
たまには考えてみてください、もし自分にそれがなかったら… と。そうすれば、それを持たない・または失った人たちに優しくなれるはずです。