heartbreaking.

中年の末路とその記録

美しい風景

ぼんやり思い出すことってあるじゃないですか… それはどんな風景ですか…

わたしは結婚前に独身だったころに、妻も子もある会社の上司と不倫していましたが、思い出すのはセックスしている場面とかではなく、相手の妻(会ったこともない) のことなんです。

会ったこともないのに、思い出すってのはヘンですが… 相手の妻の一部には会ってきました。

たとえば、立派な愛妻弁当が入っているであろう弁当箱が雨の中放置されている姿…
たとえばホテルにかかってきた電話口からかすかに聞こえる声…
その当時は奪ったのだという優越感を感じたりしてましたが、自分が妻の立場に変わり、時がたつにつれ、記憶に残る、あの放置された愛妻弁当の悲しい姿や、ホテルにかかってきた電話がなぜか… とても儚く健気に美しく思えてきました。

それは私が定期的に思い出す、美しい風景のひとつとなりました。

このように、誰が、どんなカタチで、誰の心に残る風景となっているか、それは本人に聞いてみないとわかりません…