食事に行ったのは前の職場で知り合った男性(年齢はかなり上でオジサン)なんですが、前職の仲間なので会話の共通点もあるしで話の尽きることがない。一緒にいても緊張しないとか、妙な間が空かないで会話がスムーズなのって、お互いに勘違いしやすいので危険だと思う。(僕たち話が合いますね、みたいなノリのまま、お互い寂しいんでいいじゃないですか的に気がつけばラブホのベッドの上で、あぁん… と絡み合ってそうで怖い…)←あぁん、と本当に言うことはほとんどないですけど…
オジサンには奥さんと子供がいるので、会社を辞めたあとは会わないほうがいいだろうと連絡はとりませんでした(子煩悩な父親で「子供自慢」されるたびに、違う世界に住んでる人だと思っていたので)。あとは、単純に自分の好みではなかったので… 好みだったらいいのか?と聞かれると返答に困るが、でも実際に「うおー、この人は自分好みだ」と思える異性がいたとしても、性格が気に入らなかったり、こっちが相手にされていなかったりで、なかなか上手くはいかない。好みのタイプがいても、相手がこちらに気付いてくれないことには、何も出来ない、だからこうして妥協して好みではない人とも会ったりしている。何もないことが一番怖いことだから…
私が会社を辞めてしばらく経ってから、オジサンのほうから携帯にメールが入っていて「食事に行きませんか、奢ります」とあったので、奢ってくれるなら行かない女はいないだろうと思いオーケーしました。私はタダメシに弱くて、ラーメン一杯でも付いていく女なので…(モヤシのたくさんのった味噌ラーメンが好きです。誰か奢ってくれませんか!)
昼間に待ち合わせ場所に行くと、オジサンが椅子に座って待っていた。年齢がずいぶん離れているので、これが昼間でなければヘンな組み合わせだよなあと思いつつ… 春休みで周りは若い子だらけなのに自分はオジサンと… 違う違うのよ私たちはオフィスの付き合いなのよとか、親子ですとか心の中で言い訳しつつ(ジジババの動向など誰も気にはしていないだろうが)年齢を重ねてくると、自分たちは問題なくともだんだん周囲の目が気になってくるので、決められた相手以外との逢瀬は難しくなってくる。
食事は向かい合わせの席に座るよりも、カウンターに横に並んで座るほうが、自分の食べる姿をまじまじと見られなくて済むので助かる… 女が食べる姿(ものをほおばる唇・舌先)を見て興奮する男もいるかもしれないので、それを意識しながらこっちも食べていると、それが二人を取り巻く空間を妖艶な色に染めてしまうこともあったので…(それはアルコールが入っていたせいかもだが)… どうしても話がそっちのほうへいってしまう。それはそれでいいんだけど…… でも、食事は食事として美味しくいただきたいので。
片方は会社を辞めているのに、なんでわざわざ会ったのかは、聞くだけ野暮で、お互いに頭の片隅では同じことを考えていたはず… ああ今日はもしかすると、このオジサンと(この娘と)何かあるかもしれないなあ、と思いながら他愛のない会話を交わしつつ、時々、箸を休めて様子を探る… の緩慢な繰り返しで食事の時間はあっという間に過ぎていった(ラブホへはいるための道筋になるような言葉をどちらかが投げかけていれば、そこは大人の二人なのでどうなっていたかはわからない)。久々に、どうでもいいような部分で頭を使っていたかもしれない。好みのタイプでなくてもこうなんだから、これが好みだったらどうなるんだって話だよ…
席を立ち、レジに並ぶと、一応財布を出して支払いをするそぶりは見せておいたが、スッと手を抑えられたので財布を引っ込めて、いくら払うことになるのか隣で見ていた。店を出るとき扉を開けて待ちながらお礼を言い、歩き出したが…… どこへ向かって歩いているのか私にはわからなかったので、とりあえずオジサンに付いていくことにした。
目の前の駐車場にオジサンの車が止まっていた。車まで歩いていくと、オジサンはドアを開けて「どうぞ」と言った。…そうだろうなと思っていたので、多分、オジサンも私も確信犯だった… まあ常識的に考えて既婚者同士が食事の後でドライブまで、ってのはどうかとは思うし自分が逆にやられると嫌だからなるべくやりたくないと思うものの…
車に乗り込んでみた。
オジサンはシートベルトを締めようとしている私の手伝いをしてくれたが、一歩間違うと手が触れ合って非常に危険な状態になるので気をつけた…(私の脳内では、シートベルトを締めようとする二人の手が触れ合って、どちらかが声を発したのが合図となり、引き寄せられるように唇が重なり合い舌が絡み合い、ラブホに向かって発進してしまう妄想が再生されている)
…危ない。股がじっとり濡れてくるのを感じた。
海を見に行きませんか?と誘われたので、まあ無職で暇だしいいか… と誘いに乗ってみた。
かなり長いドライブだったが、なんでもない会話しかしないのに、股はずっと濡れていた。
それは密室に二人きりだからで、特にこのオジサンが好きだからというわけではない。男と女が二人きりなので、そうならざるを得なかっただけで…
海に着くと、しばらく海岸を歩いて、缶コーヒーを飲んでくつろいだあと、また車に乗り込んで、じゃあ帰りましょうと微笑んだ。
…でも、帰り道は、来た道とは違っていたし、夕日は沈みかけているのに、無駄に遠回りをしたり、グルグルを似たようなところを回っているように感じた。ふふ… 奥さんや子供はいるとはいえ、奥さんより若い私ともセックスしてみたいと思う、それは男として正常な考えだからいいんだけども、こちらも好みでない以上は、自分からたとえば手を握るとか唇を寄せることはしないので、どうするのか様子を見ていたけど、結局最後まで何もされなくて、拍子抜けだった… まあ良かったんだけども(こっちは子供もまだの、レス夫婦なので、子供もいるような男にホイホイ股開くわけにはいかないのだ)
男と女が長時間ドライブで二人きりの密室で、手を握ることすらないなんて、今までの自分の経験からするとありえないことなので…… 家に帰ってから、最近始めたSkypeでネットの男友達に、こんなことがあってねー!と早速話してみた。俺なら押し倒すよ!という返答が返ってきたので、うふっ、若くて可愛いわぁ~と思いつつ、、 最近の楽しみはその男の子とSkypeすることですかね…