heartbreaking.

中年の末路とその記録

思春期の頃の体の成長に自信を持っていなければ、何があっても、異性の部屋には行かない(行けない)。

トキオの山口メンバーについて、どう思うか知り合いに意見を聞いてみたが、人によって意見がきっちり分かれている。

もともと酒癖の悪い点に焦点を当てて考える人は、私生活が乱れているのを正そうとしなかった山口メンバーが全面的に悪いような捉え方をしている。

そうではなく、何故、女の子が男の部屋に行ったのか……を疑問視する人は、いや、女の子の側にも非があるだろうにこれはやりすぎではないかという話をしている。

あるいは、女の子たちが二人で行ったのは、目撃者を必要とするからであって(そういうことが起こりうるのを予め想定していた)、罠だと考える人までいる。

しかし、金目的だったとは言いたくない。何故ならば、金目的だから被害を訴えたという考えが世間に浸透すれば、この些細な事件など足元にも及ばぬすべての深刻なる被害者達の心に対してよくないからだ。

性被害にもその深刻度は様々であり、軽度の被害がさも大げさに報道され、その一方で重度の被害者は口を閉ざしていることまで考えてほしい。

その女の子やその家族は解決の仕方を間違っていたとも考えられる。トキオの熱烈なファンたちによって今後危機に脅かされることも考えられる。いかなるジャンルにおいても、ファンの力をあなどってはならないと思う……

そもそも、年頃になった未成年の女の子が、異性の部屋へ行くだろうか?

いや、普通は、行かないだろう。

では、友達と二人でなら安心という理由で、異性の部屋へ行くだろうか?

行かないだろう。

そうした危機意識は、親が教えなくても、成長過程における自分の身体へ抱くコンプレックスによって、備わっているのが未成年であると思う。

成長過程における、自分の身体に、自信を持っていなければ、けして、何があっても、異性の部屋には行かないだろう。

本当の恐怖とは何か……それはまだ成長過程にある身体を悪戯に暴かれることだ。あるいは、自分がまだ見られたくない不完全な部分を、そうした悩みを持つとは思えない者に対して見せる状況が生まれた時に自分が想像した通りにあるいはそれ以上に馬鹿にされ穢されることだ。それは未成年にとって死に直結する。

何故、この女の子たちは異性の部屋へ行ったのか。どんな理由があっても、まだ成長過程にある自分の身体を守るため、異性の部屋へは行かないものだと思っていた。

もし、部屋の中に複数の男がいたら?あるいは後から複数の仲間(男)が示し合わせたように参加してきたら。

相手は本当に一人なのか。

自分の身体を守るため、実際には行動に移せないで終わる、それこそが未成年であると思っていた。想像力は豊かであるが現実を知らないがゆえに臆病であり、そして答えがわからないからこそ、おそろしい想像によって未知への行動を規制する。それこそが未成年であると思っていた。大人である必要はない、ただあるがまま未成年であること、それこそが身を守ることになるのだ。

誘われたから、断れないから、付き合いで異性の部屋に行くという理屈自体がもはや未成年の考えではなくすでに大人であると思う。

未成年が、異性の部屋へ行くのは、理由があろうとなかろうと、もはやその時点で未成年ではないと判断してよいだろう。

身体にコンプレックスのない、恵まれた肉体の檻に守られた感覚だからできる行動であり、また他との違いがわからないからこそ未成年は自分の身体を守ろうとするのである。そうした悩みを持たない開放的な一部の未成年たちの自由奔放な行動と、その後始末のため過度に未成年であると言う部分を強調しながら自分の子を厳しく叱ることを忘れた親達に対して我々はどうしてゆけばよいのだろうか。