heartbreaking.

中年の末路とその記録

ストーカーだと思っていた精神障がい者と仲直りして障がいへの理解を少し深めた俺……

前回、隣に引っ越してきたおっさんにストーカー行為を受けていると報告しました。

今朝、隣から壁越しに「おい!〇〇ー!」と私の名字を呼ぶ声がしたような気がした、いや、確かに自分の名字を呼んでいるように聞き取れたので、嗚呼!?と思って読んでいたジョジョの奇妙な冒険を閉じ、私は怒りが頂点に達し、ベランダの戸を開け「オラア!出てこんかあオラア!」と怒鳴り散らした後それでも収まらなかったので(オラオラオラアー!)、メモ紙に油性太マジックでこのような殴り書きをして隣のドアにマスキングテープで貼りつけた。

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これでわかってくれるか、とりあえず様子を見ることにしたが、何時間かして隣のドアがキイッと開く音がしたのでこっちも煙草吸いながらドアを開けて出ていった。勿論、武器など持っていない丸腰しで一応戦闘態勢に入っていた。

すると、隣のおっさんが、私が殴り書きしてドアに貼り付けたメモをまじまじと……見ていたのでそこへ歩いていきながらこう言った。怒るなら怒れ!こっちも怒ってるゾ!

「わかってくれましたかね?なんでいつも私が仕事に行く時間いるんかおかしいなあと思ったんでこれを書いたんですよ」

「えっ?こ、この貼り紙があったんで見ていたんですけど、お、俺がお姉さんになにかご迷惑かけましたか?もしご迷惑かけていたとしたらすみません(頭を深々と下げながら)」

えっ……怒らないの?なにこの反応?えーと、じゃあとりあえず話そうか。

「いや、毎日私が〇時半に仕事に出るじゃないですか、その時いつもおたくが居るのでなんでかなと思って……こないだも玄関口に待ち伏せするように居たじゃないですか」

「そ、それは誤解ですよ、俺もその時間は〇×病院(←精神障がい者が通うことでこの辺りではかなり有名な病院名が入る)へ通って出ているので、お姉さんに迷惑かけるようなことはしてませんが、もし迷惑かけていたとしたらすみません(頭を再度深々と下げながら)」

「ええっ??(うおえあ、自分から精神障がい者だってことをただの隣の住人にカミングアウトする?)」

「俺、〇×病院へ通ってて、お姉さんと同じ強迫性障害なんで」

「強迫性障害……(つか、いつの間にか私が強迫性障害仲間にされていることが衝撃!!)」

嗚呼それでこの間私がドアノブをガチャガチャ回して確かめていた時こっちを滅茶苦茶見ていたわけか、仲間だと思ったのね。

「えー、そうなんですかあ……強迫性障害で治療を受けているんですか(しかも結構重度な精神障がい者が通うことで巷では有名な〇×病院で)、それは大変な状態だったんですね……」

「お姉さんも強迫性障害だと思うんですけど、俺ほどは重症じゃなくて軽度だと俺は思ったんですけど、もしよかったら〇×病院へ一度行ってみたらいいですよ」

いつの間にか私が強迫性障害で〇×病院へ行くことをおすすめされている。

そうか……おっさん呼ばわりするのはもうやめよう、手が触れるほどの至近距離でその瞳を見てみると、あの異常だと思う感覚は消え失せていた。

俺はお姉さんは強迫性障害ではないかと思うんですよとしきりに病院通いをすすめてくるので(汗。。待ってくれ、病院には行こうと思っていたところだが〇×病院だけは勘弁してくれ)なんか精神障がいについてやたら詳しそうで、ちょっと、悪い人のように思えなくなってきた。。えーと、流石に男女なので部屋に入れるわけにはいかないが、どっかの喫茶店でその話くらいは聞いてもいい(暇な時に)。

嫌味で「強迫性障害ですか」と言ってきたのではなく本人が真剣に悩んでいる病状だから他者の似通う動作を見て言いたくなったのだ、それだけだと思うと大分こっちの気分も軽くなってきたし、なんだかこうして直接面と向かって話し合ってよかったなと思うようになってきた。結局、隣から壁越しに「おい!〇〇ー!」と私の名字を呼ぶ声がしたのは幻聴だったのか……ガクブル。私は本当に強迫性障害なんだろうか、強迫性障害で治療を受けている人にこうまで断言されると。

精神障がい者への偏見をそろそろなくさなくちゃな……この人達だって精一杯生きている、そりゃ一部の人達は国の保護を不正に受けていたりするけれど、でも皆がそうじゃないはず、でもそこはネットの情報見るだけじゃわからない、実際、精神障がい者となって病院へ通っている人々と話をしてみるしかない。

ただの隣同士のはずだが、まあまあの長話になってしまい、何故か最後のほうは逆にこっちのほうから「私がドアノブをガチャガチャするのは強迫性障害なんですかねえ」「お姉さんがそうするように俺も財布の中のカードがあるかどうかを何度も(指さし)確認しますし、部屋の中の水が止まっているかの確認(これも指差し)などで生活に支障が出ているほどですから、〇×病院へ行ってみるといいですよ薬を飲むとボーッとすることがありますが俺も△△で働いているので」

おお……一緒じゃないか!実は私も財布の中の各種カードが全部揃っているかを買い物を終える度指差し確認してるので。そりゃもうアホかと思うほど何度も財布の中を確認するので傍から見たらチョット異常者に近いかもです。

私自身は強迫性障害で病院に通うほどではないと思っているが(だから〇×病院に俺から紹介しておきましたよとかもし言われても困るw)、しかし他人のことを精神病だと疑い馬鹿にする時代は終わった……今は理解を示してゆく時代なのかもしれない。勝った負けたでもない、重い、軽い、でもない。理解を示すのだ、話を聞くのだ。

なんだか身内の話まで聞かせてくれたんで(私は隣に住んでいるだけの他人なんだが)もう悪い人に思えなくなってきたんで、結構距離近かったんで肩でもポンと叩いてあげたかったが、その伸びかけた手をひっこめておいた。そこは男女なのでよしておくが、相手が女ならばそうしていたところだ。

続き(2019-09-25)