heartbreaking.

中年の末路とその記録

冷蔵庫と洗濯機のない生活を経て

出稼ぎ先で、冷蔵庫と洗濯機なしで数カ月暮らしました。結論としては仕事が順調でお金があり、なおかつ冬なら両方なくても多分大丈夫です(夏は経験してない)。

派遣会社の用意したレオパレス(軽量鉄骨造)で隣にいるカップルの深夜の騒音に悩まされ「ヴォケガァア!」「おまいらのせいでここを出るんじゃあ!」と大声で怒鳴りながら造り付けベッドを蹴り退去したことがあるので、条件のいい県外の求人情報見て「寮費無料」とありそれがレオパレスの場合は一応警戒したほうがよいです。帰れる場所を用意した状態でそこへ入居しないと明日からホームレス同然の生活を余儀なくされるかもしれません。

だとしても給料良ければ我慢できると最初はおもいがちです。

仕事は県外でやるか・やらないかだけでなんぼでもあるようです。未経験でいきなり中小企業の中間管理職並みの給料を一時的にだが稼げる求人もある。だけど賃貸は「運」で努力ではどうにもできない。なにか問題が起きてそこを出るとき必ず退去費用がいる。突然の事情で、賃貸を数日か数カ月という短期で「契約解除」すると高めの違約金が発生する。派遣社員でこのレオパレスは住めないよとおもったら他のレオパレスへの引越しとなる(レオパレス→レオパレス!なにも変わらないんじゃないのかw)右往左往するので疲れて仕事どころではなくなる。結局その時は条件の良い仕事を断念し一旦故郷へ帰ったけど帰りの道中は悲しかったので目の前のとろくさい軽トラに「なにをモコモコしとるんぢゃあはよいけやコラァ」と怒鳴りつけてしまったりもした。稼げる仕事なのにレオパレスで失敗した。

2階なのでカーペット。ダニがいる?脚が痒い…

なので次の出稼ぎでレオパレスで失敗するわけにはいかない!とおもい、派遣会社の世話にならず自分で昭和の民間の団地の一室を借りました。人生で一度は住んでみたかった昭和の団地です。うれしいですね、これで団地の一員としてここに潜伏できます。玄関のドア開けると様々な物質が歴史と共に集積したにおいがしてくる。建付けが悪くすべてのドアがガタピシボコンボコン鳴ってそれも味がある。このボロさにオラわくわくすっぞwこれを住みやすく工夫しながら、大きな会社でそこそこ給料もらってウハウハやで。最初は妙に明るく毎日100均に通い楽しい生活を送っていた。

畳とふすま部屋なので気になる隙間が多くて壁には昆虫を叩き潰した汁のような跡や、歴代住人がここでもがき苦しみ生きた形跡がそこかしこにあった。もしかしてゴキブリの糞の垂れた跡かともおもった。ここで料理するのはよしておこう。電子レンジとケトルだけ置いた。料理せず弁当だけ食ってればいい。

高齢の親になにかあればすぐ故郷へ戻るつもりだったので、冷蔵庫も洗濯機も元の住所から持ってこなかった。今回はギリギリ通勤距離を超えた近場への出稼ぎなので元の賃貸は解約せず2拠点生活をした。主拠点となる賃貸の定期的な換気と郵便物の受け取りを信用できる人に任せ急いで故郷を出た。

出稼ぎで「住民票」は故郷のまま変える必要ないです、派遣でそんなに長くはいられないので。よそで働きながら故郷にお金を送り続ける郷土愛です(いや、本当は面倒くさかっただけです)。ここは一時的なリゾート地のようなものです(リゾートが団地とかどうかしてる)。

まずは新しい賃貸で風呂を沸かして引越しの疲れをとろう。 引き戸をガラッと開けると昭和のタイル貼りの浴室は風情がある、まるで屋外温泉にいるようです。壁には大きな亀裂が走り、換気扇もないが天井がものすごく高くて気持ちいい。追い焚きナシで部屋と浴室を何往復もできるホーローの浴槽。

洗濯機がない暮らしをするので早速、100均のバケツに汚れた衣類をぶち込み、石鹸の泡かボディソープを少量そこへ垂らし、熱湯を満タンに入れます。「熱湯殺菌」すれば大丈夫だ、すべては熱湯が解決するだろう。ユーチューバーのザックさんも靴についた庭のダニを熱湯で死滅させている。これで大抵の菌は死ぬ。右と左の蛇口で温度調整するので(レオパレスと同じ)熱湯がダイレクトに出るのも都合いい。その間に自分の体を洗い、

バケツ内の熱湯と洗濯物をアチチ・アチーと手押し洗いして、手首を痛めない程度の力でテキトーに絞り(少々泡が残っていてもテキトーでいい、死にはしない)、浴室内に入るサイズのハンガー類を入れて干す。洗剤はいつまでも泡が出るので手洗い時間がかかるのでおすすめはしない。

あとは浴室外からサーキュレーター半日以上あて続ければ、バリバリになるけど臭くはならない。

浴槽に湯を貯めて足で踏むのは浴槽が汚れるのでよしておいた。

コインランドリー代を払うのは馬鹿らしい、お札がボンボン飛んでいく。というか最新設備を導入したコインランドリーの使い方がわからない。

作業着を洗う場合は「ポイント洗剤(しみ抜き剤)」を買い、襟と袖口・帽子のつばの額に当たる部分にそれを塗る。 機械の油汚れもこれでだいたいとれます。作業着は手洗いしても薄汚れた感じが残るのでそこはアイロンかけて誤魔化します。

手洗いを続けるうちに作業着も下着もなにもかも洗い残した色々なものがまんべんなく蓄積していきますから、洗濯機で洗った服を着るような爽やかな気持ちになれることはありませんが確実にお金は貯まってゆきます。仕事さえ続けられれば…

洗濯機と冷蔵庫どっちか1つにしないといけない究極の選択があればどちらを選びますか。私なら迷った末、圧倒的に冷蔵庫のほうが必要です。これは生き死にに直結します。

冷蔵庫は、店が周辺にない地域以外はイケると思いますがお金と体力がないと買い出しに行くことができず1日か2日でふつーに餓死しかけます。「冷蔵庫に食材はあるのでとりあえずいまは食べなくていい」という優雅な選択肢はなく、食の調達に常に飢えています。賢い人は冷蔵庫を買い1週間分の買いだめをして、体調不良などで出れない緊急時に備えます。

カップ麺類やお菓子で体調不良は治せないですし元気も出せないです。たとえば大事に飼っているペットに毎日ペレットだけを与え続けますか。そんなかわいそうなことしないですよね!新鮮なものを食わせてあげたいですよね。人間だって毎日新鮮な食材が必要で、冷蔵庫がない暮らしをしているとスーパーに並んでいる野菜や肉を「見るだけ」になります。

車中泊を続けていたユーチューバーのデクさんが最初に欲しかったものは「自分の冷蔵庫と洗濯機」でしたね。そうです、冷蔵庫なしでなんとかなると思うのは最初のうちだけでこの夢の家電を絶対欲しくなります。

しかし、冷蔵庫がない生活を経験してみることも無意味ではないです、それを経てありがたさが身に染みてわかるようになり、生活の質がこれまで以上に「丁寧なものに」向上します。

冷蔵庫なしの生活ができるのは元気に外に出れる体力・精神力あってこそです。たとえば仕事の人間関係に絶望し「どうしても今日は休まなければ自分自身が終わる」と思い詰めることはあります。心が故障しているときに開ける冷蔵庫がないと必要な栄養分を補給できず、体に悪そうなものを食うしかないことがあります。余計具合も悪くなります。目玉焼きが食いたい。冷凍うどんも食えない。米価格が上がったので炊飯器も使っていない。ウオオおにぎりが1個だけほしいのに、おにぎり1個も食えずに死ぬのか …何で最初は冷蔵庫なしで耐えられるとおもったのかトンデモネエ。部屋の中でよろけながら布団で寝るしかできないです。

寝るばかりになると喉がからっからになります。何日前に口を付けていたか不明な常温ペットボトル飲料をすするしかなくなる。 普段から出前を頼む習慣があるといいですが、そんな贅沢は普段からしていない人も多いんではないかとおもいます。私もそうです。だから腹ペコにどんなに追い詰められていても、自分が食材を買いに出るしかないんです。出なければゲームオーバーかYOU DIED どのようになっても冷蔵庫のドアを開ける力くらいは残されてる。

たいして遠くへは行ってませんがそれでもこの間、帰ってきました。なんだかんだ故郷にいれば笑顔を向けてくれる知り合いも何人かいるし、なにもかもやりやすいことに気付いた。仕事で失敗しても、もう退去費用も引っ越し代もいらない。そうした余計な金がかからないのなら何度失敗してもこれからは大丈夫だ。 畳とふすまの賃貸は退去費用がフローリング部屋より高くつくので要注意。