闇の底
死神の鎌が三日月の如く嘲笑する
ため息で黒く塗りつぶされた部屋の片隅
ただ茫洋と漂う偽者の月は
窓辺に差し込む月の光を殺しながら
そして静かに
美しい半円を暗闇に投影する
鈍く光る鎌の刃先に
俺の紅い血糊が付着して
この先に絶望的な結末しか無いのだと
髑髏の口元が嘲笑う
死神は毎夜、部屋の片隅で
俺の存在意義を問い
早く楽になれと甘い誘惑を繰り返す
嗚呼…その鎌が掠める悦楽に
全ての迷いを溶かしてしまいたくなる
痛みさえ感じなければ
紅い霧雨で
この肉体を一つの絵画に変えて
美しく散りたい
この死体が
一つの芸術作品になればいい
沢山の血に塗れて
この醜さを全て覆い隠してしまえばいい
goo blog funamushi2 - 2006-01-09 03:14:46 コメント ( 27 ) | Trackback ( 0 )