heartbreaking.

中年の末路とその記録

退廃的な女を愛する不安

俺はいつ死んでもいいような匂いをいつも貴方に向けて放ち続けるが、貴方がいつ死んでもいいみたいな投げやりな態度になるのは許せない。俺は愛する人に看取られながら先に死にたいのに、愛する貴方が俺を置いて先に死ぬのは許せない。だから最後の時だけは俺より後に死んでくれだなんて自分に都合のいい愛しか認めたくない。

俺を愛してくれるつもりならば、自分の命はそんなに長くないんだみたいな雰囲気を醸し出さないでくれ。いつまでも生き続けて俺だけを永遠に見つめ続けているって約束してくれ。

来世に生まれ変わった二人が再び出会って、今度は満たされた肉体のままに思うまま愛し合えるだなんて、そんな何秒先か何億年先かも解らない約束を信じたまま死ぬとしても。二人の魂が来世で出会える頃には地球はとっくに滅んでいるかもしれない。いや魂が何億年という悠久の時の長さに押しつぶされてカタチすら失って宇宙の塵となってしまうかもしれない。二人の愛が宇宙の塵になってしまうんだよ。

その時、宇宙は俺達の魂を再びめぐり合わせてくれるのだろうか。それとも宇宙の中でさえ二人の寂しい魂は巡りあうことも叶わぬまま、ただ星々の煌きを羨みながら永遠に漂流し続けるんじゃないかなんて。何処まで突き詰めて考えてもこの先に絶望的な未来しか描けないんだ。

今俺は笑われているかもしれないが、退廃的な雰囲気の年上の女性と付き合うと悩みが尽きない。その女性が俺をどんなに癒してくれようと明るく可愛く振舞おうとも、俺はその女性の退廃的な雰囲気を見抜いている。弾ける若さに触れたくなる時もある。俺も人間だからだ。

goo blog funamushi2 - 2006-11-02 16:06:34 コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )