薬を飲み始めてからは、人間に対して極度に緊張しすぎるところが少し緩和されてきた。同世代にもつい敬語を使ってしまうほど人に気遣いしすぎで、それが悪く作用して本当に人と打ち解けることが出来ないのが長年の悩みだったけど、最近は自然に「うん、うん」とタメ口であいづちを打てるようになった。
まだ薬を飲んでいない頃は、ある企業の圧迫面接で「緊張しなくていいんですよ、ふふふ…」と意味ありげな不気味なふくみ笑いと共に明らかに私の挙動不審をあざ笑うような失礼な面接官が居たのだけど… 人を笑いものにするのが趣味のような、悪趣味な面接官でかなり気分が悪かった。未だに気分が悪い。だけど確かにあの頃の私は緊張しすぎで挙動不審だったのかもしれない。つまり病院も行かず薬も飲まずに無理して生きていたからノイローゼ状態だったのだ。それが他者の目からは挙動不審で不自然な姿に映りさぞや面白可笑しく滑稽だったのだろうな。
だけど薬を飲み始めてからの面接では、面接官に対してほとんど緊張せず自然体で接することが出来るようになっていた。自然に余裕を含んだ笑顔も出てくる。これも薬を飲んで治療しているという安心感があるからだ。薬に守られているという感覚…
子供の泣き声を聴くと心臓がばくばくして暴力的になるのはあいかわらずだけど。遠くのほうで子供を抱っこしている主婦を見て車で突撃したくなる衝動はだいぶ収まってきた。「…まあ、いいか」と思えるように日々少しずつ心境が変化してきている。この「…まあ、いいか」というあきらめのような感情は、薬で衝動がうまく押さえ込まれている結果なんだろうなあ。こんなにラクになれるなら早くから薬を飲んでいれば良かった。人間の感情をコントロールするなんて出来るわけないと意固地になっていたけど、本当にコントロール出来るとは今の医学はすごいなあと関心するばかりです。
まだ薬を飲み初めて間もないのですが、その抑制効果は確かに感じ始めています。
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