学校でいじめられて泣くことも辛いだろうけど、大人になって会社でいじめられて泣くことのほうがもっと辛い。
泣いて、泣かせて… が会社の中で当たり前のようにあるという事を私も何度か体験してきた。
涙を流すことは、けして恥ずかしいことではない…
若い頃は何処にでも積極的に首を突っ込むし、怖いものなしで行動していたのだけど… 20歳後半になってからは、今度は私が泣かされる番になったのだ。「窓際」に追いやられることもあった。一つの中小企業に一年も居ると、後から来た後輩に自分の現状の仕事をバトンタッチして、そして自分は次のステップに…って事になる。で、ここで落とし穴が… 新しく与えられたポジションが悪いと「仕事がなくなる」んですよ。後輩は、私が懇切丁寧に教えた「過去の私の仕事」を完全に自分のものにして囲い作ってしまうから、後輩に「仕事手伝おうか?」と尋ねても、「いいです、出来ますから」って言われてピッシャリ追い出される。おいおい、その仕事は私があれだけ丁寧に教えてやった仕事じゃないか、しかもどうゆう手順でこなせば能率が良いかまで親切に教えてやったのに、ちょっとくらい仕事分けてくれてもいいだろって状況になる。人に親切にしすぎるってのも考え物ってことか。あと相手をよく見極めないと… 自殺行為になる。
で、仕事ないじゃないですか… 自分が新たに割り当てられたポジションは本当に仕事がなかったんですよ。机に座ってうつむいてメモ用紙を作ったり、引き出し整頓したり、オフィス内があまりにも息苦しいのでトイレ行って時間を潰しながら「仕事ないですか…」と何度か上司に聴いてみるけど、答えが「今は無い」それだけなんです。い、いつ俺の仕事が出るんでしょうか?自分で探そうにも右往左往するばかりであまりにも辛い、拷問みたいな毎日だったのでその会社は辞めました。後で気付いたけど、これは「いじめ」です。
で、その事務の仕事を退職した後は、気分転換に店頭販売員になったのですが、販売員はいいですね。暇そうにしていても怒られないんですよ。
店頭販売員で社員数少ないところがおすすめです。でもそこでもやはり落とし穴が… 客の奪い合いです。さあ新しいお客が店に入ってきた、俺とお前とどっちが行くか?って無言の「探りあい」で、先に動いて客に話しかけたほうに対して、お互いが「俺の客なのに… 俺ならもっと上手く売るのに、お前じゃ駄目だ」って思いながら相手の売り方を観察してる。さらに土日は本社から電話が一時間おきに入って「きみは今日何個売ったかね?」と質問される。焦って、店頭にまで身を乗り出してバナナの叩き売りのように1,980円の商品を、道行く若い小娘に声をかけ何とか店内に引きずりこんで愛想よく下手にふるまえば、その小娘に「可愛いー、小動物みたいで癒されるー」(←お、俺のことか?)と言われ… うるせー、俺は必死なんだよ。別に好きで小娘に下手に出てるわけじゃねえんだ。で、そこでどっかの大企業の奥様がやってくる。俺が店内にエスコートすると「あなたじゃなくて、店長は?」と言われ、俺の服装をみてあきらかに見下した態度で超むかつく… 何様やねん、お前が偉いんちゃうやろが、お前の旦那が偉いだけで、お前は嫁に行っただけやろが勘違いすんな!ってくらい偉そうな奥さんが多かった。何やねん、生まれつきなんの不自由もない豊満で女性らしい肉体だけを武器に脳みそパー子のまんま大企業の社長に見初められてまんまと玉の輿のっただけじゃろが、なに偉そうにしてんねん。俺はお前なんか心の中じゃ逆に見下してるんだからな!…って思いながら、店長が出てくるまで必死に「繋ぎ役」としてエスコートしてたけど…
あのなあ、お前ら。店員を見下しすぎるなよな… 店員だって心ある人間なんだからな。俺は店員としても色んなことを学ばせてもらったよ。仕事は何でも経験しておいて損はない。
何の仕事も一長一短ですね… すべては人間関係に終始するわけで、運もありますね。あの窓際に追いやられた頃を思い出せば… 今の職場なんて天国ですよほんと。ここにしがみついておかないと、次はない。もうそんな年齢です。