heartbreaking.

中年の末路とその記録

鏡を見ない

ケッコンしてから自分を磨くことをしなくなりました。もうヨメにもらわれたので、いまから恋をするわけでもなく、いいや… みたいになってきますよ、ね?奥さん?

私は特別ひどいんでしょうけど、化粧もしない、美容院もいかない、新しい服も買わないです。自分に「投資」する必要がなくなった。だけどダンナには笑っていてもらいたい、自分だけを見ていてもらいたい。

でもダンナと出会ったときに、私は夜の仕事をしていたので、いつもピカピカで、あまり油断してなかったですね… きっとダンナはそんな私に夢中になって毎日私のアパートまで来てくれてたんだわ。

ああ、すっかり・めっきり、綺麗になる努力をしていない、家では頭ボーボーでジャージ姿で化粧もブラジャー(ひん乳でもブラジャーをしろ!とは言われる) もしていない、そんな私をいつまでダンナは好きでいてくれるだろうか… 実はちょっぴり心配しつつ、毎日ダンナの笑顔から、自分への気持ちが醒めてないかどうかをうかがってみる。
本当はいつまでも自分磨きをあきらめちゃイケナイ。一番近くで、いつも私を誰よりも見てくれるダンナのため「だけ」にでも綺麗にならなきゃいけないのに……

私は努力しないけれど、あなたは私をいつまでも変わらない視線で見ていてほしい… そんなの無理。もしも私が老いて醜く変わってしまったときのダンナの気持ちを考えると、想像しただけで私も辛い。

あーでも私、働いてるしなー、どっかの専業主婦の奥様みたいにはなれないわよ、なんてあきらめてしまいがち。そのくせ、自分磨きをすることにはナンダカンダ言い訳するけど、自分の趣味の時間は惜しまない。
…最近、ほとんど鏡みていない。たまに拡大鏡で見るとシミが増えていたので、この鏡の中に映っている人は別の人なんだと思って思考から排除。さらに日ごろから自分の頭の中だけでいまの自分の姿を想像し、その姿が自分なんだと信じている。だからたまに油断して、家の外の鏡で、疲れた自分の顔を見て(妙にやせていたりすると余計に) あ… あぁぁ… となる。

まあ、とりあえず今日もダンナが私にむける笑顔は、出会った頃よりもむしろ輝いてみえたので、お互い何度も離婚を考えては話し合って解決してきた夫婦だけあって、二人の信頼関係はより強固なものとなっているのを感じた。心はよい、あとは物理的な問題だけ、金と、お互いの老いと。一緒に仲良く老いていこうね、私だけが先は嫌だよ?と心の中で思った。