heartbreaking.

中年の末路とその記録

私の一番大切な時間

自分の中に詰め込める思い出の数には限りがある、だから扉を閉じて、もうこれ以上余計なものをいれずに、いつまでも美しい思い出だけを見つめて黄昏れていたい時がある。

いつも聴く音楽はだいたい決まっている。アルバムの中にも一回聴いただけで終わる曲もあるのに、何万回聴いても絶対飽きない、何十年たってもそれは同じ、って曲がきっとある。それがおそらく、私ですら気付かない、私の生き方や私自身をよく映している音楽なんだと気付いた。

一つのアルバムの中のたった数曲のみを何度も繰り返すうちに、当時の想いの数々がよみがえる。
文章でも写真でもここまでの情報量は得ることはできない、そんなものが一気に押し寄せてくるのが思い出の曲たち。なんだかとても愛おしく、どんな恋人にも癒せない、目に見えない傷を埋めてくれる。

様々な過去の情景が、真綿で包むように優しくそっと今の私を包み込み、一つになる瞬間が訪れるときは何とも言えない、これ以上の時間はないとまで思える。
そんな時間が私を虜にしている。