heartbreaking.

中年の末路とその記録

自分のファンを信じるまでの小さな葛藤

熱心なファンのコメントは、改行がとても多かったので、「改行」を省いた状態に手直しして再度読んでみたが、まぎれもない私の純粋なファンの声だと判断した。ここにたどり着くまでに実は「葛藤」があった。

自分のことを「ファンです」と言う人を、疑いたくはない。

だがネットでコメント欄に粘着する悪戯が多いため、私はそれでも心のどこかで不安を感じていた。人の好意すらまっすぐ受け止められない屈折した心は、それでも折れ曲がった手を伸ばす…
私を見つめるその瞳は裏切り者の怒りや嘲笑に満ちたものではなく、まるで10代の乙女が恋をするような純粋な輝きであると信じさせてほしい。嗚呼、キラキラ輝く純粋なものに触れてみたい…

「お前は騙されているんだよ」
「お前をいつも眺めているよ」
頭の中に棲みついてしまった、暗い過去に関係した人々の声が、純粋なものにふれかけたこの手にふりかかる。純粋なものは目の前にあるのに、それに触れることが許されなくて、触れれば純粋なものは崩れ落ちてトンデモナイ悪魔が姿を現して俺を脅かすんじゃないかって思うから、これ以上近付くことはできない。

俺のコメントレスが妙に畏まっているのは、俺が単に以前より用心深くなったからで、頭の中であらゆる可能性を探っている。コメント欄を承認制にしたのも、過去に俺を地獄に突き落とした人間がまた俺を脅迫するために現れるんじゃないか… と疑っているからで、罠にかかる獲物を待つ状態に近い。
くるならこい… その時、ペンは剣よりも強いってことを教えてやる。