heartbreaking.

中年の末路とその記録

疲れた時、「仕事を辞めていい」と言ってくれる男は、今は少ないのかもしれない

この間まで働いていた会社は、通勤が車で片道1時間前後かかる場所で……早朝に起きて、眠い状態のまま車に乗り込んでまず煙草に火を付けて、コーヒー飲んで、菓子パン齧りながら働きに行ってました(ロングジョイとか)。

田舎道に入って、急カーブだらけで、自分もとうとうこんな辺境の地まで働きに来たか……という諦めのほうが案外頑張れそうな気もしていた。それにこの地には、私を知る者が誰もいない……そういう嬉しさはあった。

職場に着くと、女がやるとは思えないような重労働が待っていて、中身入りの大きなダンボールの上げ下ろしなどで、体中をダンボールで打って痣ができるし、爪も割れて、かなりボロボロになっていました。

働いた後は、また片道1時間を運転して帰りますが、帰宅ラッシュに巻き込まれてほとんど立ち往生で、煙草に火を付けるしかない状態でイライラしていました。

思うように動きにくい、重い足を引きずりながらスーパーで必要な物を買い、自分のマンションに戻り、シャワーを浴びてから、ソファでぐったりしながら考えていました……

往復2時間かかる通勤と、重労働で、体全体の疲労感は一晩寝ただけではなかなかとれない。歳なのか。とにかく一人になりたい。

毎日彼と会うという生活は、もう無理だな……と思っていました。

それで彼に、毎日会うのは流石にしんどいことを伝えると、最初はわかってもらえなくて、お互いにかなりしんどい時間を過ごすことになりました。

彼は私に、そんなしんどい仕事なら何故辞めないのか、お金なら俺がなんとかしてやるから、と言ってくれるのですが、それが、怖かった。

浮世離れした、夢のような生活は、いつまでもは続かない。苦しくても現実を生きなくては、自分がなくなるようで……

根気よく話し合いを続け、二人で出した結論は、しばらく会うのを週1とか週2~3回くらいにしよう、というものでした。

GWも日雇い労働をしつつ、なんとか働いていたのですが、とうとう職場で気を失い、顔面と、体中を打ち付けて倒れてしまい、休養をとることになりました。

上手く行きそうだった職場で、また倒れてしまった……もう無理だな、と考えながら寝ていると、彼が会いに来てくれて、ボロボロになった私の姿を見て心配しながら、美味しいものを食べさせてくれたり、そんな仕事辞めたほうがいいと言ってくれました。

仕事を辞めていい……今までに、そんなことを言ってくれる男はいなかった。本当は、この言葉を言える男こそが、本気で女のことを考えているのかもしれない……

どの男も、私が仕事を深刻な理由で辞める度に、まるで私に根性が足りないかのように責めたり、上から説教ばかりで、でも口だけで具体的には何もしてくれなかった。

でも今の彼は違う。

口だけじゃなく、お金で助けてくれる。それに、私が背負う借金のことも考えてくれているらしい。彼が何者であれ、私を真剣に救おうとしているということはわかった。

元極道で、元犯罪者でも、今は真面目に暮らしているなら、もう少し彼のことを信じて、甘えてみたほうがラクになれるかもしれない……

そういうわけで、その職場は辞めて、今は就職活動をしつつ、彼の用事を手伝って1日3千円現金でもらって、食事も食べさせてもらい、なんとか生きてる状態です。

まあ、はっきり言うと、いくら元が付いても極道は怖いですけど(殺されたくない)、でも信じるしかない。私はとりあえず大丈夫です。