heartbreaking.

中年の末路とその記録

会う約束が欲しい

その肌に触れる想像が、飛躍しすぎて制御出来なくなることが、少しずつ増えてきた。

待てなくて、会う約束が欲しい時がある。それは次の休日でも構わない。

あなたにとっては迷惑かもしれないし、そうした関係は求めていないかもしれない。私のことをどう思っていますか。私はあなたが好きです。

今日も言えなかった。「会いませんか」という言葉を呑み込んでいた。迷惑をかけたくないという言い訳が後押しするので、面白味に欠ける言葉を打ち込んでいた。

会いたい、と言えない自分に、心が項垂れる。

無難な言葉を繰り返すだけでは、この気持ちは、伝わらないだろうか……

あなたのことに限らず、この人生も、迷いのまま繰り返されてゆく日々にただ埋もれていたくない。

心の温度が冷えている。あなたに抱きしめられることで、それが熱くなれる。

会いたいと思っているあなたに、会えない。そういうことの積み重なりで案外、力を失いかけてゆく。

精一杯、二人の時間の想像に、胸をときめかせているのに、いざ目の前に居たり、連絡をとる機会を得た時には、退屈なやりとりしか出来ていない。こんなので、いつ、あなたに触れられるのか。ふと寂しさに包まれる。想像のまま終わらせるなら、いっそ派手に散る勇気をくれ……

あなたが何を考えているか、わからない。

空気を伝わり、何キロ、何十キロと、あなたと私だけの通路を使って想いが来ているのなら、後はこの言葉のドアを勇気を出して開けるだけだ。

抱きしめることの出来ない、距離の長さと、この実感のなさは、心を空洞にさせる。

あなたの作り出す広大な宇宙の中に放り込まれたように、なにもかもが、見えなくなる。

会えなければ、どうすることもできない……という悲しみの一点に辿り着く。

まるで片想いのようだ。

あなたに抱きしめられたい。いつもとは違う感覚、それは私の心の中で新しい奇跡に恋い焦がれる少女の願い。

(会社で一日だけ遊んだ男性への想い)