heartbreaking.

中年の末路とその記録

大きくて硬いので強く突かれ続けるよりも、小さくて柔らかいほうがずっと一緒にはいられる気がする

男のあれが太くて硬くてある程度の長さまであるのに頻繁に強めのセックスをすると女の体に負担がかかる。どんなに普段は優しくされても、その時はあまり優しくない。挿入する角度によっては内壁からゴリッと不気味な音がするので、セックスよりも何よりもまず私の体のことを心配するし、もう二度目のその音は聞きたくないと思う。受け入れる側にとってはリスクの高いセックスは、同じ人とは1度でいい……

彼氏とのセックスに恐怖を感じている。出来ればもうしたくない。次回がなくてもいいと思うのに、付き合っている限り必ず次回はやってくる。何か悪いことをして体に罰を受けているような試練のように感じる長いセックスの時間が億劫であるし、どうにかセックスをせずに穏やかに暮らしたい。だからヘルペスが出来た時はむしろラッキーだと思った。それを理由にセックスをしばらく断り続けられる。

最悪でも週1でしないと彼氏を納得させられない。むりやりというのはなくて毎回聞かれるのだが、だんだん飽きもきている頃だ。相手は私に飽きないのだろうか……そろそろ飽きてくれていい。お互いまた別の相手を探そうよという気持ちではある。

私の中で不気味な音がする度に、出逢った頃から感じていたが、私にとっては体の相性が良くないのではないか、力押しのセックスでないと駄目だという女もいるかもしれないから、そういう人と付き合ってほしい。私はこれ以上彼を受け止めるのは無理だと感じ続けている。

自分の存在意義に疑問を持つ。苦しみしかなくなる、早く終われば休める……と思いながら、幼児期の性暴力の記憶まで呼び覚まされて恐怖と絶望を感じることもある。

セックスのし過ぎはよくない……ほどほどに。間隔を開けずにたとえば週1とか週2で同じ人と同じようなセックスを繰り返すほどに、飽きる速度も早まり、一緒にはいられなくなる。

私を大事にしてほしい。私はそんなに頑丈ではない、とても脆い……

子供がいないことも私を弱くさせている。

沈みかける夕陽のきらめきの中、小さな子供と笑顔で散歩する女の光景に、呼吸が止まりそうになった。私は……あの中には行けない。私にとっては名ばかりの恋人と、拷問のような長い苦しいだけのセックスを定期的にしなければ、その心すら繋ぎとめておけない、そんな人生だ。

私が誰とでも挨拶を交わすような軽さですぐセックスをするのは、男性に対する好奇心と、その人と打ち解けたい、友達になりたいっていう、それだけだから、深い意味はない。人をただ純粋に自分へと振り向かせるためにとる行動の一つでしかない。

深い意味を考えることが馬鹿みたいだ。子供も産んでいないこの体は、単なる性欲処理のための道具に過ぎない。毎回外出しで、こちらはイくこともできないセックスはすべてが悲しく虚しくなる。

大きくて硬ければいいというものでもない。長く付き合うなら、小さくて(短くて)柔らかいほうが女の体には優しい。次回のセックスも恐怖とはならないし、適当に喘いでいればいいだけで苦しくはない。女としての自分を傷付けられない安心感はある。

大きくて硬い男が継続的に女を気持ちよくさせるセックスをし、女を手放さないために必要なのは、想像力を鍛え上げることと、基本的にほんの少し力を弱めることだと思う。最後に出す時だけやや強めくらいでちょうどいい。

強いセックスは急激に飽きて仕舞いにはもうやめて欲しいと思うようになる。だから私は最近、彼氏に対してはセックスにはあまり乗り気でない態度を見せている。私も仕事で疲れている。最初から最後まで、強いセックスには耐えられなくなってきた。