heartbreaking.

中年の末路とその記録

「子供作らず、生産性ない」と寄稿した自民の杉田議員(杉田水脈)の発言のほうが生産性がない。

休憩時間、スマニューで偶然目にしたある議員の発言により、働いていて慢性的につらくなる時間帯は誰しも訪れていると思うが、その中で、次の動作を抑制しようとする「子供作らず、生産性ない」……それが心の中にはびこり、汚染してくるのを、抵抗して振り払おうとする無駄な疲労をかけている時間、音もなく飛来する死を、感じ取れる。

「子供作らず、生産性ない」と寄稿した自民の杉田議員(杉田水脈)の言葉で、俺は同性愛者ではないが、子供はいないので、自分のことを指しているのだなということは解る。誰かのために労働することも生産性はないというのか……

この議員は、生産性があるという言葉を、自分の都合のいいように使っている。

Wikiによると「生産性」の意味は……

より少ないインプットからより多いアウトプットが得られるほど、より生産性が高いという関係にあることがわかる。生産性 - Wikipedia

原始的に人数を増やせば生産性が増すという概念ではなく、質の問題を意味している。

馬鹿ばかりが増えても意味がない。子供にスポットをあてるとするなら、必要なのは教育の質の向上であり、子供を産まない人間が増えているからそれは生産性がないという概念ではないので、言葉の意味を理解していないように思えた。

「子供作らず、生産性ない」という寄稿について俺の思うことは、この議員の行動のほうが、よほど生産性がない。マイノリティの生きるための活力を奪ってゆくそれは、一人一人のアウトプット能力から活発さを奪い取っている。現に俺の作業生産率はこの議員の寄稿の影響で落ちていたように思える。認めることの出来ない人間を排除したいのか、それは独裁者の思考回路だ。マイノリティの精神を甚大に傷付け、そして同性愛者および子供のいない男女の迫害を行おうとする邪悪な意図が含まれているようで……、この価値観を認める自民党のままでは、日本は敵と味方に分かれてしまう。

何故生まれてきたのだろうと思う通常とは異なる運命の中で葛藤しながら、ようやく同性愛の中に希望の光を見出す人、子供はいなくても別の形で社会貢献しようと日々努力を続ける人の心を、あえて傷付ける必要があるのだろうか。

今回のことに限らずこれまで、マイノリティを中傷する発言についてはニュースを通じて散々聞かされている。メディアを通じて投げつけてくるこの斧は、避けることが難しい。それをどう思うか以前の段階ですでに傷付けられている。生きてゆくために必要な自分への肯定感は、案外脆く、足元から徐々に消えてしまいそうになる。

同性愛に走ることしか出来ない人達の気持ちならほんの少しならわかる。

人は生まれ持つ身体的な特徴、そして幼少期に受けた様々な影響から複雑に構成されてゆく精神が発する声に従って生きていると思っている。

だからこそ、様々な価値観があって当然であり、誰もその人の選ぶ人生を蔑むことなど出来ない。

誰が優れていて、誰が劣っているということを、何故、同じ人間が勝手に決めようとしているのか。

今回のような発言をニュースで報道することで、たとえるなら優良種とそうでない種の区分けが人々の深層心理において進んでゆく。これ以上人間の優劣について決めつけようとするのなら、これからの未来はより凶悪な犯罪が起きることを覚悟する必要があるだろうことを警告しておく……現に俺の心の中では今回の問題を起こした議員を心の中で八つ裂きにしてその内臓を引き摺り出し足で踏み潰し人目につきやすい場所に晒しものにしてようやく気が済むかどうか、だからだ。

今回のようなニュースは、日本の社会にとってプラスになることはないだろう……劣等感を植え付けられることで、有る者には優越感を抱かせ、無い者には怒りを抱かせ、心の中の分断をより加速させ、笑顔の下に隠した狂気で子供達の未来が端から一つずつ踏み潰されて消えてゆくとしても、それも政治家の発言が招いたことなら仕方ない。

厚生労働省の平成28年の統計を見ても生涯子供を持つことの出来ない人についての調査が欠けているが、「子供作らず、生産性ない」と見做した上で税金を還元しないというのなら、こちらも税金を納める必要がないということでよいか。

平成28年 国民生活基礎調査の概況(厚生労働省)pdfファイル

子供を持たない人間が即、悪と決めつけるような発言を一部の政治家が繰り返してゆく度、心の中に一本ずつ抜けない杭が打ち込まれてゆく。この命を許さないと言うのならば、俺も自分とは異なる価値観を広めようとしながら同類を傷付けようとするその命を許すつもりはない。果てにあるのは、無差別殺人しかない。追い詰められた人間は何をするかわからぬよ。無宗教であっても、生き方に根差した宗教じみた独自の価値観によって動いている。

杉田氏は自身のLGBTへの考え方や最近の報道などに触れ、「LGBTのカップルのために税金を使うことに賛同が得られるものでしょうか。彼ら彼女らは子供を作らない、つまり『生産性』がないのです。そこに税金を投入することが果たしていいのかどうか」「なぜ男と女、二つの性だけではいけないのか」などと持論を展開した。
(中略)
同性愛者であることを公表している北大名誉教授の鈴木賢・明治大教授(比較法)は「子を生まない人間には税金を投入すべきではないという見識の人間が現国会議員であることに驚く。LGBTだけでなく、独身者や子供のいない夫婦などにも侮辱的とも取れる発言で許容できない」と憤る。
LGBT「子供作らず、生産性ない」 自民・杉田議員の雑誌寄稿に批判:どうしん電子版(北海道新聞)