「バルダーズゲート3」を冒険家(標準)でクリアしました。なにをするにも多面体ダイスを振るので上手くいかないことも多くセーブ&ロードを繰り返し282時間。
以下ネタバレ
話も暗めでフラグも折れやすく、攻略サイトを常時開いておかなければ投げ出す可能性は高いです。さらに最大レベルが12までしかない。
要所に良い台詞が仕込まれていてそれに心を打たれ涙をこらえることもあります、そこがこのゲームが世界で評価されてる所以でしょうか。しかしそれは自分が選んだキャラ以外が放つ台詞だったりもします。主要メンバーに選ぶ3名以外でこれほどの感動を与えてくるのかと思うほどです。
私は、アミュレットを盗んだ少年に同情しそれを譲ってやったNPCの小イベントを観てこの作品の良さに気付いたので製作者の中に居る「誰か」に対する敬意でエンディングまで進めた。
このゲームを苦労して進めて良かったと感じるのは、仲間がラストバトル直前に集結するその時です。とうとう来たかみたいな、ここまでくるとこれはゲームではなく自分の人生の1コマに変わる。また人生がほんのちょっと豊かになった。
アウルベアの子供が野営地でホウホウ鳴いてただけなのにラストバトル前の集合場所に立派な鎧まで身に着けて居たのは、ほかの誰が駆けつけることよりも一番嬉しかった。お前が一番輝いている(あんまり役立たなかったけど)
あと、奇妙な牛、そんな重要なキャラだったのか。というか結集した仲間すべてがわりとどうでもよかった。
面白いイベントを振り返る
1. アスタリオンに金的を食らわせてやったとき(永久離脱するので注意)
2. アブディラクに鞭で打たれたとき(ヒットポイント30%以下で恩恵を受けられる永続バフを授けられる)驚くほどの変態だけどこんなのが仲間にいたらさぞかし冒険が楽しくなるだろう。このあと別の場所で独り言いってる姿も目撃したけどその後の彼はどうなったのか。
3. ゴブリンの野営地で酒にコソコソと毒を合成してやったとき
4. 荒廃した村でバグベアとオーガがいたしているところに遭遇したとき
魅力的なボスなど
ラファエル 戦闘時のHPが驚異の666で思い返せば影のラスボス的存在のようで非常に心に残ります。戦闘中に彼は陽気に歌うのでその演出でとても奇妙に盛り上がります。状態異常を常時与え続けることで戦闘時間は長引くがなんとか倒せます。そして彼の抱く崇高な思想そのものはけして不快なものばかりではなく共感を覚えるものもあり、この戦闘が終わった時点で彼に逢う密かな楽しみを1つ失うことになりましたね。
ロローカン 丁寧な口調で人心掌握を試みるが失敗すると豹変するその表情の変化はさながらムービースターのように魅力的なキャラクターだった。あっ、しまったー、こいつ倒したら後はイカとゴータシュくらいであんまし魅力感じない悪人しか残ってねえ…
その他、エセルおばさん第二形態と、オーリンが強かった。ラスボスはこれまで集めた強化アイテムを消費する必要もないほど弱く、最後までイカづくしだった。か、拡大しただけのイカかよみたいな。足場ばかり見ていたので気付いた時スゲー不気味だった。
皇帝は立ち位置が安定感に欠ける忙しいキャラだったなという印象しか残らず、最後タイマン勝負くらい用意して欲しかった。
カザドールはアジアの吸血鬼だったのか。アスタリオンが憎しみをありったけ込め復讐するシーンはアジアになんか恨みでもあんのかとおもった。
使える魔法など
弓かクロスボウが安定して強いのでこれを装備した盗賊兼ファイターのアスタリオンが怒涛のアクション発動で先手を取ればすべての戦闘は安定感が出るしラスボスもこれで対処できる。
「ハダルの飢え」敵を盲目にしターンの始めと終わりにダメージを与える黒い触手。
「ブラックホール(イリシッドの力)」範囲内の複数の敵を一箇所に集結するので後続のウィザードが魔法で一掃する前準備として使う。
魔法は電撃系が強く、次点は氷系で、炎系呪文はあんまり使わなかった。
心残り
2周目の引継ぎ要素もなしで多分隠しボスもいない、一度ポッキリの旅の最後のほうで、ハムスターが相棒のおもしろキャラ登場で軽くショックを受けたが、役割分担の決まった固定メンバーを変えるのはチョット、思い入れもあるし…要は野営地で遊んでる仲間がようけおるわけです。レイゼルはチクッ!で笑わせてもらう程度で関わらんかった。
いつか使うと思って道中拾いまくってた樽爆弾ほとんど使わなかった。樽の使いどころはエメラルドの森をゴブリンの襲撃から守るイベント時。アイテム収集が趣味にはならない割切ったゲームで虚しさを感じる。樽、重いから集めるの地味に苦労したのに。
ほか気になった点
・「Divinity :Original Sin 2」同様、書物が多くそのテキスト全部を読んで世界を理解することは諦めた。
・よくわからん試練が多くてそこで挫折しそうになる
・章が替わるとき消える前マップのNPC大虐殺するか否かで迷う
・皇帝と交尾する場面が怖い
・ゲイルが野心家すぎてひいた
・シャドウハートは黒髪のままでよかった
・シャドウハートの幼少期の出来事をもっと映像で深堀してほしかった
・カーラックがかなりいいやつだったが最後殺したのが心残り
・エルミンスターの存在感が薄いのが残念
・野営物資は豚の頭のように視覚的にユニークなもの、ワインの説明など気になり大休憩を後半に入るまで慎重に行っていたがその必要はなかった
・建造物による高低差がある戦闘でターゲットを指定する動きがもたつくので萎える
・トラップの発動が絡む戦闘はトラップにターンが来る度にその思考時間「……」があって流れに水を差す。
・巻物を入手すればウィザードがあらゆる魔法を使えることを中盤まで気付けなかった
・ラスボス戦で画面の切り替わりが多すぎて、なにか感動を与えようという気概は伝わるがそれは失敗に終わっているように感じられた
・2周目をしようとは思わなかった
小学生の自由研究の発表みたいになりましたが、これからもゲームのおかげで楽しく過ごせそうです。ゲームをするときの私の心は高校生のままで止まっている。