heartbreaking.

中年の末路とその記録

駄文

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お店の隅っこの下のほうにボクは転がっていました。ボクはずっとこんな薄暗い場所でいつまでいなくちゃならないの。誰か気づいてよボクはここにいるよ。そこに冴えない顔をしたお姉さんが通りかかりました。ボクの転がっている周りにはたくさんのかわいいクマ仲間が居ます。お姉さんはクマを物色していました。ボクは薄暗い場所からお姉さんに一生懸命、気付いてよと訴え続けました。ボクの体には2800円の値札がくっついていました。お姉さんは、たくさんのクマを物色したあとどうやら気に入ったクマが見つからなかったらしくため息をついてその場を離れようとしました。ボクは焦りました。早く見つけてよ。ボクは今夜もこんな薄暗いところで真っ暗な夜を過ごさないといけないの?ボクの悲しみがお姉さんに届いたのでしょうか。お姉さんは、薄暗い場所にいい加減に転がったままのボクに気付いたようです。気付いてくれた、ボクの存在に気付いてくれた。お姉さんはボクを抱え上げ2800円の値札を見るとそのまま迷わずレジへ早足で向かいました。ボクはレジのお姉さんに紙袋の中にぎゅうぎゅうと詰め込まれました。やっぱりボクは捨てられるんだ。真っ暗な紙袋の中でボクは泣き続けました。ブーンどるどるどるという激しい音が聞こえてきます。怖いよう(がたがた)。ボクはどうなるんだろう(ぶるぶる)。ボクは恐怖のあまり紙袋の中で気を失ってしまいました。・・・・・・・・・・・・・・ がさがさがさがさ。お姉さんは気を失ったまま袋に詰まっているボクを取り出しました。はさみでボクの値札をちょきんと切るとふかふかのソファの上にポンと座らせました。ふかふかふかふか。ボクは目が醒めました。目の前にはイスに座って箱型の機械を操作しているお姉さんが居ました。お姉さんはボクには目もくれることなく箱型の機械に熱中していました。ボクの名前はスデに何度も改名されました、えっけんたんと呼ばれた時期もあれば、よしつねたんと呼ばれた時期もあり、今は秘密です。ボクは何のためにここに来たんだろう。いい加減ボクの名前を決めてほしいです。

駄文おわり

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