heartbreaking.

中年の末路とその記録

明日親が死んでしまったら、どれだけ後悔するだろう…

スーパーのお菓子コーナーでは、子供や若者向けのハイカラなお菓子と、老人向け(?)の色あせたお菓子に分かれている。

老人向け(?) のお菓子コーナーはあまり盛り上がらない。子供時代にバアさんにもらっても、ちっ…… とも嬉しくなくて絶望した・色からしてスデに終わっている(!)お菓子!(言い過ぎだろw)コーナーにウッカリ迷い込んでしまったとき、年老いた両親のことが頭にボワーンと浮かんできた… 

嗚呼これは、親が好きだったお菓子に似ている… 堅そうなせんべいで(前歯がどうにかなりそうだ!)、こんなの何がウマイのか俺はサッパリだが…

…こんなお菓子が買える程度にはがんばって稼がなければ… 親はいつまでも生きていない。

年金生活の親に、仕送りもしてやれず、自分は無駄に歳だけをとってしまったなあ… と悲しくなる。

いろいろなことを一瞬の間に考えてしまった。でも、その日は、そのまま家に帰り、結局いつも通りネトゲをしてだらだらと過ごしてしまった。頭で思っていても、ちっとも行動に移せていない…… こんなんで、もし、明日親が死んでしまったら、どれだけ後悔するだろう…

数日後、原付であてもなく走っていると、気がつけば、手ぶらのままで実家の前に来ていた。

「○○ちゃん!」 …庭で植物の世話を一生懸命している母が、とてもうれしそうに近付いてきた。

嗚呼、またしばらく会わないうちに、母は小さくなり、しわしわになっていた… 俺はそれを止めることもできずに、ただ呆然と見ているしかできないんだ。

……でも、なんでもいい、生きていてくれてありがとう、という感謝の気持ちは、枯れることのない泉のように奥から溢れてとまりそうもなかった。

「久しぶりやね、いきなりくるけんびっくりした。元気だったかね?」

嗚呼おかげで体だけはイヤミなくらい元気だよ… それに暇でほとんど寝ていて、単に出かけるのが億劫だったんだ。寝ている間に、桜はいつの間にか咲いて、終わっていたよ… (桜の美しさを楽しめるほど、今の自分はがんばれていないから…)

屑みたいな生き方しかできない自分を、心から歓迎し、笑顔をくれるのは… 親しかいないことに、いつも気付かされる。

俺はいつもネトゲばかりしていて、遊んで暮らしているので… 親の目を見れなくて、何か嬉しそうに話しかけてこられても… どうにもバツが悪かった。

……俺は人間の屑で生ゴミ以下で、過去に水商売もしていて、身売りだってしていた。そして今も、金が尽きてきたのでこの身を売りたいと企んでいる最中だ。

影でナニやってるかわかんねえ最低最悪人間なんだ… ごめんよ…

だけど、母がいれてくれるコーヒーは、どんな素敵な喫茶でも飲めないほどに、感慨深く、たった一杯だけで、この穢れきった心が清められた気分になった。食器もブランドものってわけじゃないが、とても上品なデザインで、コーヒーのおいしさに磨きをかけていた。こんな俺にいつもおいしいコーヒーをいれてくれてありがとう…

「砂糖はひとつでいい?チョコレートもあるけんね、お食べよ」

このように小さな気遣いをされたのも、随分久しぶりな気がした… なぜならば、俺はそもそも人に気遣いされるような立派な人間でもなんでもないからだ。

嗚呼、せめて、親を悲しませるようなことだけはしたくない… 

仕事が続かない時・金がない時、悪魔の誘惑(たとえば金を借りたり、身売りをするなど) 道を踏み外しそうになるけど…

やるなら、親に迷惑だけは絶対かけない方法でやらなければ… 

(残念なことに、悪いことをしないっていう選択肢はない) そんなものだよね… まあ、ぼちぼち、がんばります…