heartbreaking.

中年の末路とその記録

性欲がない理由

コロナ禍でパートナーとセックスは控えています。嗚呼、常識があるな……と思うでしょうか、いえ、それ以前から倦怠期なので実はコロナあんまし関係ないです。相手に不信感を抱かせず、お互いに傷付くことなくセックスを体よく断れるので、そういうものを求めなくなっている場合には助かる。理由がないのに求められてもしないとなるとそれは恋人といえるのかどうかとなるので(そういうことはあまり考えたくないし、話し合いになるのも避けたい)。

性欲がパートナーに対してはなくなる理由は、色々あり言いづらいですが、この世の中に存在するあらゆるカップルが必ずしもそれに納得しているわけではないと思うんで……納得しているのは運のいい一掴みでありどっかで妥協してるとしか思えない。100人以上といたした私が、その中で上手な人・下手な人を記憶の中でより分けてはじきだしたデータを元に推測しました。これ言うと失礼ですかね、お前こんなんでよう奥さんいて子供まで作れたなと思うほどお粗末な人も過去にいました。

体の相性が悪い(大きいとか小さいとか我儘言うのはやめて工夫しましょう)、思うようにやらせてくれないとか(こちらの動きを制限される)、それはやめてほしいが言いづらいので放置しているとか、だとしてもお付き合いしている以上はそういうことも定期的にせねばならない時があるので、仕舞いには拷問か(トラウマまで発動……)これはなんの修行をさせられているのか、こんなことされるほど悪いことしてきたか自分と思うほど「こなければいい」恐怖に変わってしまう。セックスが楽しいのは出逢って最初の数か月だけで、後になって苦痛になってくるようなことでも最初のうちはそれで構わないと思い、注文付けたり、訂正を求めてこなかった自分がいけなかった、もうどうすることもできない。察してくれと勝手に思っていたので今でも誤解が続いている。確実に回数減ってるんで、相手のほうも何か注文か訂正あるんだろうが(お前老けてきたな、とかだとどうしようもないが)遠慮して言ってこないんでこっちもよくわからない。

もう一つの理由は、私のほうがした過去の浮気にあり、自分は後悔も反省もしてないが、心以外のものを浮気の想い出の中に置いてきてしまった。浮気をする中で、ある時点で自分が燃え尽きた。ただの遊び人で、何も理解し合うつもりもないのに、ただ体の相性が良すぎた、まさに挿入と共にこちらが昇天してしまうほどに(これまで生きてきて、挿入と同時に頭の中で天使の輪っかが生えてたのはこの時だけだった)はわぁ~っ、そういう時は本当に気持ちいいから、気持ちいい~って言ってしまいます。聞かれるまでもなく。そんな記憶はその後に続くすべてを無力にさせてしまう。その人と離れてしまってからは、次第に自分の身体にも無頓着になり、どうでもよくなった。

二人はもともと一体だったのかと思うように唇も下半身も同時に溶け合う感覚が得られたのは人生でただ一人しかいなかった。その人と離れてしまった、別れも告げずに。それを越えるものはもうこないのだと諦めたくなった。それが性欲がないってことで、いまはなにも感じない。

私の性欲は全部夢の中へ逃げ込んでしまった。夜な夜な魅惑的な花を咲かせ触れたいと思うのにいつも出遅れてしまい、掴みかけて終わる。目覚めてすぐこの夢が、誰なのかということにはすぐに気付く。まだいたのか。別に愛してなどいないが、ただ貴方の最高の肉体に、乾杯……