heartbreaking.

中年の末路とその記録

ジェットコースターロマンス

パチンコを打つやつはその日によって気分の乱降下が起こるのであまり本気で関わりたくない。仕事でも遊びでも、そういうやつらの顔色を見るのは馬鹿馬鹿しい。

一生懸命やったからといって認められることもなく、底辺はどこへ行っても使い捨ての道具に過ぎない。

ゴミみたいな仕事でも金のためだと我慢するが、寿命が縮まるだけで、辿り着く場所などない。死ぬまでそれを続けるだけ。

そんな帰路の途中、ある家からオッサンの熱唱するジェットコースターロマンスが聴こえてきた。なんだなんだ?と思ったが、この心の中にほんの少し光が射す。

そんな風に、人のことなど気にせず馬鹿になれたらどれだけらくになれるだろう。正直羨ましく思った。

なりたい自分になれない、けれど馬鹿になるのは思ったより簡単だということに気付けたらほぼ無敵だ。

ビールを開けて一人のカラオケ大会。

部屋でジェットコースターロマンスを声を張り上げて歌ってみた。なんて気分良くなれる歌なのか。

嫌なことも吹き飛んでいったよ。

歌詞は検索すればすぐ出てくる。隣に聞こえても構わない(いや、迷惑かもだが)。大いに盛り上がった。

硝子の少年も熱唱。架空の女性に向かい手をのばしながら強く・訴えかけるように。怒り・悲しみ・すべての想いを乗せて……

今、人々に必要なのは一人でカラオケする場所だと思ってる。

ホアキン・フェニックス主演「ジョーカー」のように感情の赴くまま悲哀を表現する踊りを自作してみるのもいい。精神の抑圧からの解放が必要だ。思いきり踊って自己肯定感を獲得するのだ。世に蔓延るあらゆる邪をはねのける強固なバリアを作るのだ。

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緩慢な死の時代、鎖でつながれたような時代。誰もがこの鎖を引き千切ってどこかに飛び出したいと願っているに違いない。外ではそんな自分を正直に出せなくても、せめて心の中だけでも思いきり馬鹿になれ、馬鹿になって、すべての痛みや苦しみを粉砕して強く生きてゆくのだ。