heartbreaking.

中年の末路とその記録

転職回数は俺が人々に心を痛めつけられてきた数

50手前になるが中途採用で面接受ける俺の「履歴書」を見て、30年前に退職した企業のその際の「動機」をいちいち聞いていること自体、可笑しいとは思わないのか…

スマホもなかった時代に2~3年で辞めた企業のことを刑事のように誰もが問い詰めてくるがそんなものいちいち覚えていない。俺は少なくとも非正規雇用を含め30社は転々としてきた。30社も履歴書に書ききれないから1個1個退職理由を説明する気もない。転職回数を我慢が足りないとか、そんな風に言うのは簡単だよな。転職回数は俺が人々に心を痛めつけられてきた数であり、マイノリティへの理解のなさの証だ。

お前は普通だマトモな人間だと子供の頃から親に言われ続けそれを信じた結果完成したのは世間に「精神的」暴力を一方的にふるわれるだけのとんだ慰め者でこんな弱さを変えられないのも、常識が作り上げた罠に嵌っていまでも抜け出せないからだ。

俺が何故怒らないかなんて一般人に到底理解できないレベルのことでだからいちいち説明なんてしない。誰も愛してなどいない。一番愛しているのは過去の自分の悲劇だけでそれ以外はどうでもいい。壊された瞬間の記憶は最大の言い訳であり、俺を構築した理由があるから自分は間違っていないと信じて生きてゆける。

人は俺を「気持ち悪い」と言う。ヘンだとか、嘘だよねとか言う。ああ嘘だよ、俺の作り出した幻の偽善者を相手に会話していればいい。

行動が「気持ち悪い」容姿が「気持ち悪い」声が「気持ち悪い」と言われてきたが、痛みを感じなくなるまで叩かれていつしか本当に気持ち悪いやつになっていた。特に田舎では自分の家庭も持たず子供もいない非正規雇用は変わり者扱いをされる。再起不能ギリギリ寸前まで追い詰めてくれる田舎者共の群れは俺のことなどどうでもいいくせに必要以上に介入し痛めつけてくるからこの心が捻じれてしまった。

自分の形を変えてしまえばいい、この醜く歪んだ泥人形が笑顔で痛みを吸収してくれる。俺は極限まで怒らないからイイ人の仮面を被ったままで人々の感情の実験をしている。本当の姿を曝せば人々は裏切られたとどちらが被害者なのかわからない言い方をしながら狡猾に俺の希望さえ踏みにじり、そして笑顔の心無いプレゼントをくれる。

俺は歳をとったから人間が丸くなったわけではない。心を殴られ続けて痛みすら感じなくなった。誰もかれもほとんど見分けがつかない。優しさなど、疎外され続けてきた怒りの中で一瞬で溶けて無くなる。

30年前に退職した企業でどんなことが起きていたかなんてそんなことをあんたにいちいち説明してもどうせ理解などできない。どうもできない過去に括り付けられた俺の前にあるのは奴隷になるための切符だけ。そこらに「選べ」とばらまかれている。

氷河期は派遣・期間工・日雇いの罠に嵌っている。職歴が転々としてることを問われる度、罪を犯しているわけじゃないのに嘘発見器にかけられてる気分だ。

嘘を吐けばいいのか、なるべく気付かれない嘘をこの1枚の紙きれに書けばそれでこれ以上詮索されずに済むなら最高の嘘を吐くがそれでもいいのか。

過去の退職動機は現状の俺のヤル気と一緒にシュレッダーにかけられる、それだけの材料となっている。

同僚からの陰湿ないじめや上司のパワハラセクハラもすべてが自己責任ってことになる世の中は糞で、心優しい者を蹴落とす者が生き残る世界は、弱き者が立ち直ろうとする精神に暴力をふるい動けなくなるよう地面に突き刺す。

空を見上げ、未来を見て信じてくれる人など誰も存在しないことに気付いた。必ず過去を見ろと言う、それがお前の結果だと。

俺は真面目に働いても生活保護以下の手取りしかない。選択肢の限られるこの保守的な田舎で腐っていた。

ギリギリまで動けない理由を親のせいにもしていた。何かあったら面倒看なければならないと俺が勝手に思っているだけだ。その「何か」に囚われて燻っている内に自らが年老いて世間や企業からはとっくに用済みのゴミになっていた。

ゴミになった自分を自覚するとき、心の中から笑ってやる。戦場に赴く兵にでもなった気分でまたこの身を砕けさせながら戦わなければならないのか。つまらない言い訳を重ねるのか。ブチ切れてこれ以上居場所がなくなるより緩やかな自殺を選ぼうか、生活保護以下の給与明細見てそう思うこともあった。

俺の価値が10万や11万でそれに辿り着くために生きてきたのだとしたらすべてが馬鹿らしくなってくる。

何十年も前に感じていた退職動機が、犯罪者の時効より重く圧し掛かる。

誰も殺してなどいないのに「何故辞めたのか」という質問で勝手に想像している「危険因子」を選別している。

1枚の紙きれで人生を決められる。一生そのままで居ろとこの檻に何重にも鍵をかけてくる。挽回の余地がない世界の中でどう努力すればいいのか不器用でわからない。

命と引き換えに肉体を差し出す選択しか与えられない。ゴミがその後どうなろうが知ったことはない冷たい社会の中で俺の頭がどんどん馬鹿になってく原因が積み重なり人を信じられなくなる。どうせこの肉体を搾取され利用され捨てられるだけだ。

自分とは異なる者に精神的虐待をふるうことをやめようとしない。誰も己の罪の存在に気付いていない。

集団での疎外感、当たり前で笑ってやり過ごす仮面が罅割れる。不快なノイズだらけでそれらを赦すことはできない、この不自然さに周りから奇異に思われていても、同化したくないから痛みを吸収するもう一人の俺を作り笑っていたら心が空洞になっていた。気持ち悪いもう一人の俺は集団のノイズに耐えられずいつか暴走する。

我慢していればいいのはこういう時じゃない、怒っていいのはそういう時じゃない。自分では制御できないエラーだらけでコントロールできない。だけど優しい異常者である俺が破壊できるのは、気持ち悪く作り上げた自分の偶像だけだ。

なんでこんなに卑屈で泣きたいほどに弱く、異常な行動ばかりする。自分を止められない。

俺は母に似ていて性格は変えられなくもどかしい。遺伝子レベルで構成されたものとなればこの呪縛からは逃れることはできない。反吐ぶちまけるほど叩きつけたい疑いの中で俺自身が誤魔化されたまま生きている。

幼い頃の俺の異変が治療されないままでこうなった。俺は誰ともわかりあわない。早く病院へ連れていけ、ボーッとしてんじゃねえ。病院へ行かねえなら、やるか・やらねえかだけだ、これが最後の切符だ。掴んだなら何処へでも飛んで行けよ…